復興需要で混み合う金沢のホテル 1月1日に能登半島を中心とした地震が起こり、多くの方が被災し、また亡くなられた。心からお見舞いとお悔やみを申し上げたい。他方、同じ石川県内でも県庁所在地である金沢市は能登と比べるとハードウェアなどの被害が比較的軽微であり、外形上、日常が戻っているように見える。 とはいえ、観光客の宿泊キャンセルが相次ぎ、ひがし茶屋街など金沢市内の代表的な観光地は閑散としている。そのため、観光客の来訪が少ない状況を嘆く地元放送局のアナウンサーが、金沢への観光を首都圏のメディアを通じて呼びかけたということもあった。 この呼びかけは善意からのものだろうが、実際に意味を持つのだろうか? 能登と金沢を例に、今後日本で災害が生じた際の「被災地と近隣拠点都市の観光」について、普遍的な視点から考えてみたい。 筆者は20年以上、災害と観光の関係を研究してきたが、大規模災害直後は被災地にほど近く