「ボロボロの団地でオリジナルを学んできたぜ」。静岡県の団地出身のラッパーが注目を集めている。日系ブラジル人、日系ペルー人、そして日本人の混成グループ「GREEN KIDS」だ。日本社会で子どものころからのけ者にされてきた彼らのリリックが、若者の共感を呼ぶ。(取材・文:ジャーナリスト・安田浩一/撮影:菊地健志/Yahoo!ニュース 特集編集部)
ひとりのブラジル人女性が問うた日本の「共生社会」 ━━人種差別撤廃条約武器に、浜松市の宝石店で起きた「差別事件」を闘った記録(上) 1998年に静岡県浜松市で起きた、ブラジル人女性の宝石店入店拒否事件。差別被害を受けたアナ・ボルツさんは、日本にこうした差別を禁止する法律がないことにまず驚いた。自ら弁護士にはたらきかけ、人種差別撤廃条約(日本は1995年に加入)を武器に宝石店との法廷闘争にのぞんだ。私がその民事裁判と、当時の浜松でのブラジル人差別の実態を取材してまわった記録がこの短編ノンフィクションだ。 いま国会では「人種差別撤廃法案」が審議されているが、この20年間、条約が求めている国内法の整備がなされてこなかったことは日本政府の怠慢以外の何ものでもない。国内法の不備を国際条約の適用で補いアナ・ボルツさんの主張を全面的に認めた当時の判決は、画期的だったがきわめてまれなケースだ。人種差別撤廃
金髪のラテン美女がラーメンをすする町 浜松駅に降り立って、北に5分ほど歩く。遠鉄というローカル線のガード下に十数軒のラーメン屋が軒を連ねている。ひょっこりはいって「ラーメンとビール」と注文すると、隣のカウンターで金髪のラテン系美女がラーメンをすすっている。それが「未来世紀ハママツ」の風景です。 東京駅の地下を歩いてラーメン屋に入っても金髪女性と遭遇する確率は低い。ハママツでは日常茶飯事。なにしろ人口約82万人のうち約3万人が外国人。うち2万人弱がブラジル人。町を外国人が闊歩しています。ブラジル国旗をはためかせたブラジル人が経営するコンビニ、レストランがしっかり根付いています。 「未来世紀ハママツ」へようこそ。 未来世紀ハママツとは、管理社会の恐怖を描いた奇才テリー・ギリアム監督の名作「未来世紀ブラジル」をもじったものです。自由で豊かな普通の生活が、「ブラジル人」という属性を持っているだけで
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