「死んだ後はどうなるのか?」――古(いにしえ)より議論されている大きなテーマである。果たして死後の生命はあるのかないのか。あるとすれば形状が問われ、ないとすれば倫理が崩壊する。 ところが、だ。苫米地英人は「死ぬ瞬間」に着目する。これは斬新な視点だ―― 二つのことを事実として説明すればわかりやすいと思いますが、まずひとつはドーパミンをはじめとするありとあらゆる脳内伝達物質が、脳が壊れるときに大量に放出されます。ですからまず、気持ちが良い。脳幹の中心の中脳のところ、VTA領域からいくつかの経路が伸びていて、脳幹の中のドーパミン細胞からドーパミンが大量に出ます。要するに、臨死体験のときは超大量の脳内伝達物質が出て、凄く気持ちが良い体感をする。同時にありとあらゆる幻視・幻聴・幻覚が起こります。 もうひとつは、時間が無限に長くなっていきます。時間感覚が変わっていくわけです。たとえば走馬灯のように自分