2010年09月08日 1日1ドルでがんを治療できるか−低所得国に対するガイドライン。 上記のタイトルの論説が、New England Journal of Medicine 2010年8月26日号に掲載された。概略を紹介する。 2002年、世界で760万人ががんで死亡した。これは同年の世界の全死亡の13%を占めるが、驚くべきことに、エイズ・結核・マラリアの死者560万人より多い。世界のがんの新規発症例は2000年の1000万人から2020年には1600万人に増加し、そのうち70%を発展途上国が占めると予測されている。 現在、発展途上国でのがんの診断は、痛みと苦しみを伴う死を意味している。理由の一つは医療費の欠如であり、2008年の英国の国民1人当りの医療費(がん以外も含む)が3000ドルであるのに対して、ケニアでは8.30ドルに過ぎない。 先進国では、生存期間をわずかに延長するだけ