長谷川伸の作品は、もっと評価されてもいいんじゃないかと昔から思っています。 ともあれ、『関の弥太っぺ』に続き、小林まことがイブニングで連載していた『沓掛時次郎』の単行本が出ました。本誌での最終回では、菅原文太と対談なんぞしてはしゃいでおりましたが、それも収録されています。 ある程度連載を追ってはいたもののヌケもあったりして、通して読むとやっぱイイなぁ〜。因果あり、手にかけてしまった男の妻子をその後も見守る時次郎。義理と人情ってのは、やっぱこーいうものですよ、ええ。流れそうになる涙を必死に堪えること数多。 ストーリーの良さはもちろんですが、この作品の価値を高めているのは、そこだけに拠るものではないですね。やはり構成力、演出力が素晴らしい。弥太っぺもそうだったけれど、小林まことというマンガ家の表現力には凄まじいものがあることを再発見。子供の頃に読んだ『一二の三四郎』とかのバタバタなイメージが強