1月25日月曜の朝日新聞の論壇時評は興味深いものだった。なぜならそこで松原隆一郎氏がデフレ論争をまとめており、その中核がデフレ問題については見解を同じくしている飯田泰之論説を批判しているからだ。直接の反論はひょっとしたら飯田さんが行うかもしれないので、私はむしろ松原氏のデフレ問題そのものの見解についていくつか注目しておきたい。 まず飯田論説を批判した後にそれに関連して以下のように彼は書いている。以下で松原氏が依拠している菊池らの発言はこのブログでもとりあげた『Voice』収録のものである。 「菊池(英博…引用者補遺)の見るところ問題の発端は、小泉以来の自公政権が、輸出にかかわる大企業を優遇したことにある。ゼロ金利によって円安誘導し、法人税と所得税を下げたのである。低金利は高齢家計を直撃し、財政赤字の穴埋めに消費税率が引き上げられて、それでも財政悪化したため公共投資と地方交付税交付金が削減さ