社員の休業手当には雇用調整助成金(雇調金)が活用されている。「週1回」という首の皮1枚のシフトは、シフトをゼロにして「解雇」とみなされれば雇調金が認められなくなる恐れがあるからだ、との見方も社内には流れていた。 また、会社は上場を目指しており、そのための融資の条件として銀行から人件費削減要求が出ているとも言われていた。パートの休業手当を増やせば、経理上このコストが膨らむ。それを警戒している、というのだった。 週1のシフト労働の山田に、休業している正社員の分の仕事が集中した。昼休みが取れなくなり、残業の日も増えた。転職も、子育て女性は敬遠されがちで壁が厚い。 野村総研は2021年2月、山田のような「シフトが5割以上減少かつ休業手当を受け取っていない人」を「実質的失業者」と定義して推計したところ、全国の実質的失業者は女性で103.1万人(男性43.4万人)に上った。 総務省の「労働力調査」によ
国や地方自治体で働く非正規公務員の現状を調べている団体「公務非正規女性全国ネットワーク」(はむねっと)は7月5日、東京・霞が関の厚労省で記者会見を開き、当事者に対しておこなったアンケート調査結果を公表した。 アンケートでは、長引くコロナ禍や、昨年4月から導入されている「会計年度任用職員制度」によって、経済困窮や将来への不安、メンタル不調を抱えている人が多いことが浮き彫りとなった。また、非正規公務員の約8割が女性であり、ジェンダー不平等の問題も指摘されている。 アンケート結果を受けて、はむねっとは「社会生活の支え手である非正規の公務員が不安定な雇用状態にあることは、すべての人に関わる問題であり、状況改善をする必要がある」と訴えている。 関東地方の公共職業安定所(ハローワーク)で働く女性は会見で、「正規職員が毎年、削減されて非常勤職員が置き換わっています。国の機関がこうした状態では、国が瓦解し
子育て後、同じ企業に戻れた場合でも、女性は「勤続年数が短くなるので、年功序列制の残っている現状では、賃金は低くなる」。さらに「子育て後に他の企業に移った場合でも、新しいスタートとなるので、賃金は低くなる」という厳しい現実が待ち受けています。 また、男女間の賃金格差は“非正規労働”という働き方とも深く関与。企業は正規労働者よりもコスパの良い働き手として、非正規労働者の数を増やしてきましたが、その大半は女性でした。橘木さんは「既婚女性の中には、パートタイムなどの労働を望む人もいるので、差別でない側面も多少はあるが、非正規女性労働の存在は(男女間の賃金格差に)影響している」と語ります。 非正規社員は、正規より年収が60%も低い コロナ禍の不況では、女性の非正規労働者が深刻な状況に置かれたことも問題となりました。そこで、正規と非正規の格差の実態についても本書から見ていきます。 ここでいう正規社員と
写真はイメージです(c)Getty Images 北原みのり(きたはら・みのり)/1970年生まれ。作家、女性のためのセックスグッズショップ「ラブピースクラブ」代表 作家・北原みのり氏の連載「おんなの話はありがたい」。今回は、新型コロナウイルス感染拡大で気づいた「性差別」について。北原氏は、多くの職場の隅々に性差別が行き渡っていると訴える。 【写真】性差別の実態はホラーだと訴える北原みのりさん * * * 「今、この建物、女性しかいなくないですか……?」 ホラーな感じだが、今、大都市のあちこちで起きている現象かもしれない。 先日、友だちがこんな話をしてくれた。彼女の職場は正社員のほぼ全員がテレワークだが、かかってくる電話の応対や、紙を使用する仕事など、組織を回す仕事に一部のスタッフがリアル出社している。そしてそのほとんどが、非正規雇用の女性なのだという。彼女自身が週3回出社する契約社員
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く