研究チームは避妊法の研究のため、メス猫9匹を研究対象に選び、問題のホルモンの遺伝子を症状の軽いウイルスに乗せて6匹に注射した。このウイルスが到達する筋肉細胞は極めて寿命が長いことから、遺伝子も長期間持続する。 この遺伝子を注入しても、猫たちのゲノムに変化はなかった。「我々は基本的に、たんぱく質を作るための設計図を導入している。しかしそれはこの動物のDNAには組み込まれていない」(ペピン氏) 一方でこの遺伝子によって、猫の体内で卵胞の発達を妨げるホルモンが生成された。卵子を取り巻くこの細胞が成熟しなければ排卵は起こらず、猫が妊娠することはない。 研究チームは2年間にわたって猫たちの糞尿(ふんにょう)のホルモンの値を週3回観察し、注入から2年以上経過しても問題のホルモンの値は高い状態が続いていることを確認した。この状態で実際に妊娠が予防できることを確認するため、研究チームはオス猫2匹を投入。そ