さまよい、たどり着いた福岡の地。あまりの空腹に「あした、ぽっくりいってもいいな」と空を見上げていたら、「豚汁食べてください」と炊き出しのボランティアに声を掛けられた。善意に救われた。 お気に入りのベンチは、読書室であり、友達をつくる場所でもある。茶飲み仲間になった警備員井原拘二さん(69)がおしゃべりにやって来る。いつものおやじギャグを言い合い、腹を抱えて笑う。リクエストすればどんな演歌も歌ってくれる女性や、飲み物を差し入れてくれるホームレス仲間、炊き出しをしてくれる人たちもいる。思えば、両親以外と長く話していなかった自分が50人以上の友人、知人に囲まれていた。「僕は誰かとしゃべりたくてしゃべりたくてたまらなかったんだって気付いた」 いつ死んでも構わない、と家を出たのに、たくさんの人から善意をもらう毎日を過ごすうちに「もっと生きたい」と思うようになった。 今のホームレス生活は自分にとって「
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