記事:明石書店 『自閉症スペクトラム障害とセクシュアリティ――なぜぼくは性的問題で逮捕されたのか』(明石書店) 書籍情報はこちら 発達障害とセクシュアルマイノリティ 本書に編集職として出会えたことは、まことに幸運であった。自らの体験から、自閉症スペクトラム障害とセクシュアルマイノリティには、何らかの関連があるのではないかと常々考えていたからである。 大学卒業後に広汎性発達障害の診断を受けた私は、セクシュアリティに関しても問題をかかえていた。幼少時から性別違和感をいだいており、惹かれる対象にも混乱があった。この混乱は年を経るごとに無視できなくなり、他者の感情がわかりにくいのと同様に自らの感情や状態もよくわからない、という自閉症スペクトラム障害の特徴が、セクシュアリティの問題にも影響しているのではないかと思い当たったのである。 本書は3名の共著となっているが、中心となっているのはニック・ドゥビ