ネットでも読める『国立国会図書館月報』(国立国会図書館月報|国立国会図書館―National Diet Library)3月号及び5・6月号の「国立国会図書館にない本」シリーズの小林昌樹「特価本目録は庶民読書の証言者」を読了。図書館の月報なので並の図書館なら蔵書の自慢をするところだが、さすが懐の深い国会図書館である。所蔵してない本の紹介をしてしまう人気のシリーズである。 今回の小林君の論考は、通信販売用の図書目録である。冒頭、寿岳文章が小学校を出た明治44年頃のエピソードとして、博文館・新潮社・青木嵩山堂などの出版目録を取り寄せて直接購入したことが紹介されている。中島俊郎先生が喜びそうな導入部である。そして、「本ずき」の中でも庶民が安くはない本を買うのにどうしたかというと、次の手段があったという。 ・古本を買う ・月遅れ雑誌(新刊雑誌の売れ残りで半値以下)を買う ・特価本(新刊書籍の残本の