通常図書館と言えば、静かで落ち着いた雰囲気の中、読書をしたり学んだりできる安全な場所というイメージがあるだろう。だが現在、アメリカでは図書館までもが犯罪の温床となりつつある。 全米の数多くの図書館で暴力事件が増加しており、カリフォルニア州のある図書館では、過去1年間に警察への通報が500件を超えたという。 その内容は薬物使用、窃盗から殺人事件にまで及んでいる。もはや図書館は安全な場所ではなく、危険な場所に変貌してしまったようだ。 続きを読む
今や「居場所としての図書館」の筆頭として脚光を浴びる石川県立図書館(田村俊作館長)。同図書館の戦前における館長(昭和6~15年)として中田邦造がいた。西田幾多郎の門下生でもあったので、現在石川県かほく市の西田幾多郎記念哲学館で「図書館社会教育の実践者ー西田幾多郎の弟子、中田邦造ー」が開催中(~9月29日)である。哲学館館長による中田に関する講座も予定されている。 また、中田と共に読書会運動を進めた東田平治に関する展示「かほく市における読書会活動ー東田平治と中田邦造ー」が、かほく市立中央図書館で開催中(~9月20日)である。こちらでは、元かほく市立七塚図書館館長による東田に関する講演会が予定されている。 中田といい東田といい、一般の人には知られていないだろう。私は書物蔵氏のブログや『文献継承』への寄稿を愛読したので、名前を覚えてしまった。更に東田の『わたくしの読書会経営』(有朋堂、昭和19年
『戦前期東京火災保険特殊地図集成』の編集作業と同時並行で原稿を書いていた「火災保険地図の再発見」が掲載された『近代出版研究』第3号も届きました。 早速箱を開けてみると, 2冊入っており, その1冊の表紙がこちら。この雑誌?は年1回発行だそうで,近代出版研究所を主宰する小林昌樹先生に昨年9月にお目にかかった際に,火災保険特殊地図のことを書いてくれないか,とご依頼を頂いたものです。 こちらが目次。 実は,小林先生は,火災保険地図(火災保険特殊地図,火保図)の研究の大先達でもあり,火災保険特殊地図の復刻出版の意義をこのブログの管理人よりも感じておられるぐらいの方です。 ちなみに,この目次を拝見すると,なんだか面白そうなタイトルの論文や記事が並んでいます。 創刊号によると, --------------------------------------------------------------
はじめに 前回まで、古い調べ方の本を紹介した。調べのハウツー本である。今回は、実際に特定のことを調べる道具になる本、調べの道具本である。英語でレファレンス・ツール、中国語で「工具書」と呼ばれるものだ。 市井の人物を調査する――ファミリーヒストリーなどに 趣味でも、仕事でも、人物情報を調べたいと思うことは結構ある。人物を調べる場合には、超有名人、限定的有名人、無名人の3つに区分して調べると効率がよいことは、ネットでも指摘されている通り。そこで前2者、つまりそれなりに有名人なった人を調べるにはそれなりの手があるのだが、まったくの無名人というか、市井の人を調べるのは難しい。1980年代まで戸籍が閲覧できたが、これは現在、法曹や直系の子孫に閲覧が限られている。 一方でファミリーヒストリーが流行って、無名の人、市井の人を調べるニーズが掘り起こされている。一介の市井人を調べるツール、それも公刊されたも
「アカデミーヒルズ」は、2024年6月30日をもって閉館させていただくこととなりました。 35年にわたる歩みにおいて多くの方々にご利用いただきましたこと、心より御礼申し上げます。 「アカデミーヒルズ」は、1988年アークヒルズにて前身となる「アーク都市塾」を開講して以来、一貫して知的活動の場と能動的な学びの機会を提供してまいりました。 1996年には現在の「アカデミーヒルズ」に名称を変更、2003年には六本木ヒルズ森タワー49階に移転し、“知の拠点”として学びのプログラムに加えて、組織や会社を離れた“自律的に自立する個人の支援”を目指した「会員制ライブラリー」と、国際会議やビジネスイベントに対応できる「カンファレンス施設」を展開してまいりました。 閉館までの間、皆様に快適にご利用いただけますようスタッフ一同誠心誠意努めて参ります。 引き続き変わらぬご愛顧をいただけますよう、どうぞよろしくお
高松市の図書館で、およそ40冊の本が破られる被害が相次いでいます。中には、100ページ以上にわたって破られた本もあり、市は、警察に被害届を出すことも検討しているということです。 本が破られる被害が見つかったのは、高松市昭和町にある「高松市中央図書館」と、高松市常磐町の「瓦町サテライト」です。 図書館によりますと、去年3月から10月にかけて、利用者からの申告や蔵書の整理中に見つかったということで、その数は、およそ40冊にのぼるということです。 被害にあったのは、主に有名作家の本で、なかには、100ページ以上にわたって破られた本や、ミステリー小説の結末を知ることができないものもあったということです。 利用者への貸し出しや返却の際に被害は確認されていないため、館内で破られた可能性が高いということで、高松市は、警察に被害届を出すことも検討しているということです。 中央図書館を利用していた女性は「良
近代書誌懇話会編著『帝国図書館コレクション案内:請求記号から見た蔵書構成』(近代出版研究所、令和5年12月)を御恵投いただきました。ありがとうございます。 「本書の意義」によれば、「本書は現在、国会図書館(以下、NDL)が所蔵する本(国会本)の請求記号から、その本の来歴を明らかにする便覧」である。ややマニアックな内容で、門外漢にはよく分からない部分もあった。しかし、「腰掛け司書」ならざる志ある司書の皆様は、取りあえず買っておきましょう。ネットで注文できるが、多分公費対応はしてないので国会図書館(納本されるだろう)を除き、図書館では見られないと思われる。→注文は、皓星社の「帝国図書館コレクション案内 請求記号から見た蔵書構成 | 皓星社ウェブストア」 例示として挙げている国会図書館の蔵書には、特に近代出版研究所長の小林昌樹君の趣味が反映しているようだ。福沢諭吉関係書が複数あるのは、小林君が慶
「鉄道ファンの聖地」や「プロレスの聖地」と言われる神保町の書泉グランデ 東京都は神保町・秋葉原に店舗を構える中規模書店、「書泉」が元気だ。 経営は赤字続きの状態ながら、2023年3月に1冊の書籍を「書泉グループ独占販売」で復刊させ、結果的にシリーズ3作で累計約3万部も売り上げたのだ。3万冊もの拡販につながったのは、「書泉グランデ(神保町)」に勤めるひとりの書店員の発案によるものだった。 出版業界全体で売り上げの落ち込みが続く中、都心部で本を売り続ける「書泉」の内情とはいったいどんなものなのか。約1年前に代表取締役に就任した手林大輔氏に話をうかがった。 ■転職先は「赤字書店の社長」――書泉の社長に就いたきっかけを教えてください。 「普通に転職サイトで見つけたからです(笑)。ミドル用の転職サイトサービスに登録して、ある日サイトを眺めていたら『へぇ~、社長の公募とかあるんだ』と思って。前職は教育
東大生がさまざまな本を求めて訪れる東大の書籍部。東大生協本郷書籍部と駒場書籍部に提供してもらった2022年8月~23年7月の1年間の書籍の売り上げデータを、ジャンル別にランキング形式で掲載する。哲学書から理工系の本、古典的名作から世相を反映した最新書まで─このランキングを通して東大生の興味が垣間見える。(以下の表は提供してもらったデータをもとに作成したため同じ書籍が違うジャンルに区分されている場合がある)(構成・峯﨑皓大) 【総合】 國分功一郎教授(東大大学院総合文化研究科)による著作がますます人気を集めている。暇と退屈を名だたる哲学者達の主張を参照しながら考察する『暇と退屈の倫理学』(新潮社)が本郷で1位、駒場で3位。昨年の売り上げでは本郷で2位、駒場で3位だったが、さらに順位を上げた。難解と言われるスピノザ哲学を鮮やかに解説した『スピノザ』(岩波書店)は駒場で5位。昨年10月の刊行以来
2023年10月27日から12月17日まで、展示「集書院150年記念展 プレイバック集書院」が、京都府立図書館で開催中です。 1873(明治6)年に京都府立図書館の前身である集書院が開館してから150周年を記念して、文化庁及び京都新聞が主催する2023年度「CONNECT⇄_」(コネクト)のプログラムとして開催されるものです。 AR(拡張現実)による集書院天井画のほか、触図、当時の図書などが展示されます。AR体験には、スマートフォン又はiPadが必要です。 集書院150年記念展 プレイバック集書院(京都府立図書館, 2023/10/7) https://www.library.pref.kyoto.jp/?exhibition=163320 参考: 京都府立図書館、展示「読む聞く話す 本の色々なかたち展」を実施中:文化庁・京都国立近代美術館主催「CONNECT⇄_(コネクト)」関連 [20
今回は、一昔前に話題になった奇妙な書籍についてご紹介します。 動画化もされていますので、こちらもぜひ! 2015年、Amazonに奇妙な本が出版されていると話題になりました。 本の名前は「亞書」A5で、480ページもあるかなり厚い本になっています。 こちらが実際の写真になりますが、ハードカバーのかなり立派な本で、値段はなんと一冊64800円です。 非常に高額な本ですが、一体中には何が書かれているのでしょうか。 本の中身も一部流出しておりまして、こちらがその写真です。 ギリシャ文字が羅列されているだけの内容らしいのです。 この本は100巻以上も出版されており、かなり長いシリーズになっているのです。 著者の名前は「アレクサンドル・ミャコフスキー」となっていますが、彼はなんのためにこの本を出版したのでしょうか。 100巻以上も出ている本なのですが、実態は謎に包まれた本となっており、内容も理解でき
9月30日(土)に、東京渋谷の実践女子大学でJissen Librarianshipの会 特別シンポジウム 「公共図書館の地域資料サービス:日野市立図書館の実践から考える」が開かれた。これに、元小平市立図書館長蛭田廣一氏、前日野市立図書館長清水ゆかり氏とともに登壇して、私は「日野市立図書館市政図書室の21世紀的意義」と題するお話しをさせていただいた。お二人とも、三多摩地域資料研究会を通じて四半世紀になるお付き合いで、さまざまな刺激を受けて私はこの分野の重要性を問い続けてきた。2018年3月には「図書館はオープンガバメントに貢献できるか」の公開シンポジウムを開き、その報告をブログ上で行っている。 蛭田さんは地域資料関係の本の執筆や講演を続けているこの分野のエクスパートで、地域資料サービスの全体像と小平市立図書館がいろいろと革新的な地域資料サービスを実施してきたことについてのお話しがあっ
■初めに メルマガに何か書きませんかということで、6月に発売された『シリーズ紙礫17 文豪たちの関東大震災』出版までの経緯や、関東大震災に関する文学作品の面白さを力説したいのだが、『調べる技術』の小林昌樹さんが連載しているメルマガを読まれる方なら、調査方法にも興味があるかもしれないので、私の調べ方も紹介しておく。といっても、小林さんのような裏技はない。時間と体力でひたすら突き進むのみである。 ■『文豪たちの関東大震災』出版まで 今年の9月1日は関東大震災から100年目。そのような節目の年に合わせて、関東大震災に関する小説や随筆、短歌、詩、戯曲、体験記などを集めたアンソロジー『文豪たちの関東大震災』を出版する機会をいただいた。 筆者の本職は図書館司書なのだが、2012年「災害文学としての『方丈記』と東日本大震災」という展示を当時働いていた図書館で行った。その展示資料の一部として、関東大震災に
慶応三田キャンパスのカフェ「八角塔」慶應大学の三田キャンパス内のカフェ「八角塔」。2021年4月にオープンしたばかりのカフェです。オープン当初は ”Cafe Tempus” という店名でしたがいつの間にか「八角塔」という店名に変わっていました。 三田キャンパス内には一般の人でも利用できる食堂もあるのですが、学生さんに混じって食事をするのもちょっと気が引けますね。特にどう見ても学生には見えない年齢だと。 ▲図書館旧館内のカフェ「八角塔」だとそのお値段のせいもあって学生の姿はまばら。OGOBや教職員それと近隣からのお客さんが多い印象です。 旧図書館という築100年以上の雰囲気ある建物の中のオーセンティックなカフェで、平日だけでなく土曜日も営業しています。 スポンサーリンク 八角塔のコーヒーとメニュー今回は三田キャンパスの内で開催中の「我に触れよ」展を鑑賞後でしたので身体が甘さを欲していて、オー
【第1部】10:30~11:00 基調講演『いろいろな場面、いろいろな読者、デジタルがもたらすもの』 田村 俊作(石川県立図書館 館長) 【第2部】11:00~12:00 パネルディスカッション『企画展「十二文豪図書館二降臨ス ~EPISODE with 文豪とアルケミスト~」を作るーこれも司書の仕事』 コーディネーター:田村 俊作 パネラー:上田 敬太郎(石川県立図書館 閲覧サービス課長) 原 有樹(石川県立図書館 閲覧サービス課) 河合 郁子(石川県立図書館 利用推進課) 【第3部】13:30~14:30 パネルディスカッション『本をつくるひと、届けるひと-出版社の仕事』 コーディネーター:橋元 博樹(東京大学出版会 専務理事) パネラー:永沼 浩一(岩波書店 編集局副部長) 鈴木 クニエ(勁草書房 編集部長) 榎本 周平(青土社 営業部) 【第4部】15:00~16:30 パネルディ
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