(この記事は続『書棚と平台』を批評する 1 2 3の続きです) 柴野京子のいう「一〇年に及ぶ出版危機言説の実態」は『本とコンピュータ』のいくつもの特集を当てはめたもので、拙著とは位相を異にすると既述した。 ここまで書いてきたからには、さらに出版学会と私との関係と経緯についてふれなければならないだろう。学会の気分の反映と考えるしかない柴野や星野の「言説」、わずか十年間のことすらも歪曲してしまう出版史を反復させないために、すでに故人のことでもあり、これまで公表してこなかったことも含めて、あえて書く。 それは小林一博の『出版大崩壊』問題である。もちろん柴野も「文献一覧」に挙げているが、これははっきり言って、私の『出版社と書店はいかにして消えていくか』と『ブックオフと出版業界』の剽窃である。オリジナルは3章の「ごま書房にみる『出版大崩壊』」だけで、大半は私の二著をベースにして、話し言葉を書き言葉に