明治ポンチ本とはコウイウモノだ 明治ポンチ本は、明治20年代末から30年代中ごろに制作された、幾つかの特徴を備えた子供向けの本の総称です。漫画の歴史でも注目される事が少なかったため、その存在自体あまり知られていないかもしれません。 川崎市市民ミュージアムには約130点の明治ポンチ本が収蔵されており、日本有数のアーカイブを誇っています。コレクションの大半は元々コレクターが収集したものと考えられ、専用に作られた帙(ちつ:和本を包んで収納するおおい)でまとめられていました。この資料群を中心とした調査・研究から、明治のある期間に、現在の漫画に繋がるようなコマ割りが用いられた単行本形式の本、つまり「明治ポンチ本」が大量に作られており、それ以前、それ以後の類似した出版物との連続性を持ちながらも、この時期にしか見られない特徴も備えたユニークな資料であることがわかってきました。 壱ノ巻では、その特徴を紹介