子どもの自殺が夏休み明け前後に増える傾向があります。連載「新学期、耳を澄ませて」では専門家や子どもの頃につらい経験をした人たちへのインタビューを通じて、子どもの気持ちに思いをはせ、周りの人ができることを考えます。 「安全な生徒指導を考える会」はるかさん(29) 「教諭の不適切な指導で子どもたちが苦しむ実態を知ってほしい」。弟の死をきっかけに「指導死」をなくすよう国や社会に働きかけを続けているのが、東京都内在住のはるかさん(29)だ。指導死とはどのようなものか。どうしたら悲劇をなくせるのか聞いた。【聞き手・若狭幸治】 ――指導死とは何ですか。 ◆教諭による行き過ぎた指導で生徒が追い込まれて自殺してしまうことです。学校で行われる指導で、死にたくなるくらい追い詰められることがある、ということが問題だと思っています。 北海道立高の1年生だった私の弟(当時16歳)は、2013年3月3日に自殺しました