同技術は、テレセントリック光学系と、同光学系のレンズの焦点部に配した「多波長同軸開口」と呼ぶ光学フィルター、ワークを照らす平行照明から成る。テレセントリックは、工場などの外観検査におけるマシンビジョンなどで広く用いられる光学系だ。レンズの光軸と主光線が平行で、ワークとレンズの距離が変わっても、撮影したワークの大きさが変わらないという特徴がある。もう1つの特徴である多波長同軸開口は、中央部が青色の、その周囲は赤色の光だけを通すカラーフィルターとなっている。 傷の可視化の仕組みはこうだ。テレセントリック光学系の特性から、平滑な正常部に当たった光はレンズの焦点部の中心を通る。これに対し、傷がある箇所に当った光は散乱によって焦点部からずれる。つまり、正常部の反射光(正反射光)は、多波長同軸開口の中心部(青色光のみを透過)を通る。一方、傷がある箇所で反射した散乱光はその周囲(赤色光のみを透過)を通っ