宮崎大学は、宮崎県やJA宮崎経済連などと連携して、AIによる顔認証技術を活用してスマホをかざすだけで牛の病歴などの個体情報を確認できるシステムの研究開発に着手すると発表した。畜産現場で感染症リスクや農家の高齢化が課題となる中、迅速な防疫対策や労働の省力化につながることが期待される。 牛の顔領域を自動検出する様子(宮崎大学提供) 牛の個体識別は、2003年に導入された牛トレーサビリティ法で、10ケタの識別番号が記された耳標で行われているのが大半だが、体毛や汚れで番号が見づらかったり、耳標が脱落したりする課題があった。また、農家の高齢化や多頭飼育で生産現場の負担が重くなっているのに加え、海外の感染症の侵入リスクも高まっており、新たな対応が求められている。 こうした中、同大学では、椋木雅之教授(工学部工学科情報通信工学プログラム)が研究開発を進めている「牛個体識別AIアプリ」技術をベースに、宮崎