デイビッド・アーカーに並ぶブランド論の大家、ケビン・レーン・ケラーが、グーグルによる親会社アルファベット設立の意図を読み解く。カギは「ブランド・プロミスを果たす」ことの重要性だ。 グーグルは世界で最も価値が高いブランドの1つだ。ブランドコンサルティング会社のインターブランドは、2014年のブランド価値ランキングでグーグルに1074億ドルという評価額を与えており、これより上位はアップルしかない。 合理的に考える人ならば、こう疑問を抱くかもしれない。これほどよく知られたグーグルというブランドがありながら、なぜ同社はアルファベットという新たな親ブランドを立ち上げて、曖昧にしてしまうのか――。この問いを考えるうえで、別の2つの有力ブランドがたどった経緯が参考になる。スターバックスとヴァージンだ。 ●スターバックス スターバックスが示すのは次の教訓だ。ブランド・プロミス(ブランドが約束する価値)の希