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ブックマーク / yashio.hatenablog.com (9)

  • 差別語の三相を見つめて適切に距離を取る - やしお

    小説を商業出版することになり、これまで自分で書いて見直すだけだったのが、編集者・校正者による校正・校閲のプロセスを初めて体験した。その過程で差別語・差別表現に関しての指摘を受けて、改めて自分の中での判断について少し整理しておきたいと思った。 ある言葉が持つニュートラル、ネガティブ、ポジティブの三相を同時に見ないと、「その言葉をここで使うのが適切か」は判断ができないけれど、三相のうち一面しか見なかったり知らなかったりすると正確に判断ができなかったり、話が噛み合わなくなったりする。 指摘を受けた点1 「発狂」や「狂人」に指摘が入った。 江戸時代に実在したという届出「発狂扱ひ」に言及した箇所に指摘が入った時はどうしようかとも考えて、「精神状態の異常による行動という届け出」と言い換えた。 明治時代に精神障害者が「狂病者」と呼称され、「狂」に否定的・差別的な意味あいが付与されてきた。1970年代に「

    差別語の三相を見つめて適切に距離を取る - やしお
    tano13
    tano13 2024/04/22
    「注意」用語であることは大切だよな。簡単に禁止にし続ければ、言葉という領土がレイシストに無限に侵略を受けるだけだ
  • 慢性人員不足の負のスパイラルあるある - やしお

    少し前にテレビ番組の「カンブリア宮殿」で、医師1名のクリニックで、高い水準で患者ファーストを実現できている、結局それは人員の大幅増で実現できた、と紹介しているのを見た。 2023年9月21日 放送 おおこうち内科クリニック 院長 大河内 昌弘 (おおこうち まさひろ)氏 |カンブリア宮殿: テレビ東京 その後で、財務省が文科省に「人員不足はどの業界も共通課題なのだから、教員も数のみに頼らず学校運営を効率化すべし」と指摘したという話を見かけて、並べると趣深さがあるなと思った。 「数に頼らない学校運営を」 教員不足への対応で財務省が注文 クリニックは、当初はどんどん人が辞めていく状況にあったと紹介されていて、今の自分の職場もそれに近いところがあるなと身につまされた。 クリニックの取組み 患者ファーストは、 待ち時間が短い 専門外の症状も断らずに見てくれる 先生がきちんと話を聞いてくれる 診断書

    慢性人員不足の負のスパイラルあるある - やしお
    tano13
    tano13 2023/10/16
  • 反社カルトが国政に食い込む構造 - やしお

    政治構造への従来の認識と、最近の統一教会関連の報道を合わせると、だいたいこんな感じだろうかと現時点で思うところのメモ。 ゲームのルール 国政は数のゲーム。多数決による。 多数決は「採決の前に議論が尽くされ(修正が施され)、十分な情報が採決者にインプットされていること」が前提・理念で、来はただの「数のゲーム」ではないが、多数派が理念を無視することで無化される。 無化する理屈として「多数決で選ばれた=全員が賛成」というすり替えが多い(与党だから国民の意思そのもの、というような) 多数決で勝つための数(議員数)を増やせる人物/集団(政治家/派閥)が力を持つ。 議員の数を増やすには、選挙で票を集める必要がある。 選挙の票には組織票と浮動票が(仮に分類すると)ある。 世間の感心が低く投票率が低い時、組織票の相対的な割合が高まる。 組織票の「当落の正確なカウントができる」「組織票の倍が彼我の差になる

    反社カルトが国政に食い込む構造 - やしお
    tano13
    tano13 2022/09/15
  • 国政選挙で勝つということ - やしお

    自民党総裁選と衆院選を控えて、最大野党の立憲民主党も政策アピールに入っていて、その政策が刺さらない、粒度が変、センスがない、安保も経済もない、と左右両サイドからネットで叩かれる光景をよく見かけて、ちょっと思ったことのメモ。 選挙戦 「選挙で勝つ」には「票をたくさん集める」が必要で、その票には大きく分けて、投票時点での世の中の空気感や、党や候補者のイメージに左右されて入る浮動票と、特定の党や個人に固定的に投票される組織票とがある。投票率が高ければ浮動票の比率も高まり「風が吹く」と言われるような大勝/大敗が起こり得るし、低ければ組織票の比重が大きくなる。 浮動票と組織票には、それぞれ党自体の方針で確保されるものと、候補者・国会議員や地方組織・地方議員の働きによるものとがある。 この4つのエリアそれぞれで対応が必要になる。(ただ各エリアで確保できても調和が取れていない/方針がちぐはぐだと政権交代

    国政選挙で勝つということ - やしお
    tano13
    tano13 2021/09/22
    「自分はPKを蹴らないけれど、外した奴の批判はする、では通らない。あいつはPK外しそうだというならば、自分が蹴ろうとするべきだ。」今は昔。https://web.archive.org/web/20120301090904/https://www.taro.org/2010/07/post-785.php
  • 「安定した政権は全て良い政権である」という感覚 - やしお

    「安倍首相をどうして支持するのか」という実感を綴った記事が非常に面白かった。 安倍総理は何故ここまで叩かれるんだろう - えすけーぷ37のブログ 支持者の内在的なロジックは非支持者からは極めて見えにくい。それが一定程度可視化された点で貴重であり興味深い。記事のおよその論旨は以下の通りだった。 長期政権は、政策が評価されたことの結果である。 外交・内政(経済)ともに一定の成果はあった。 各種疑惑(森友・加計・桜)は首相主導ではなく外在的なもの。 疑惑を野党が追求するのは、他に政権を叩く材料がないため。 仮に不正があっても些末なことで問題ではない。国益に叶う仕事をする者が良い政治家である。 ここには大きな特徴が二つある。 一つが「具体的なデータや論拠は提示されない」という点。一切が印象に基づいて構築される。「あくまでも一般人の肌感覚的評価です。」という一文は、そうした姿勢の自己言及として象徴的

    「安定した政権は全て良い政権である」という感覚 - やしお
    tano13
    tano13 2020/06/02
    とても分かりやすく、絶望的でもある。あと、ヤクザな世界において組長が正義の人かどうかは優先順位が低いというのもあるかと
  • 安倍政権での「第二官僚」のメンバー - やしお

    安倍政権下では専門性や実効性より、内閣の存続(=支持率の維持)やメンツが重視されているように見える。 最近の新型コロナウイルス対応での全国一斉休校も、官邸サイドの主導で進め、文部科学省・大臣との事前調整もなかったと報道されている。さらに安倍首相自身が「直接、専門家の意見を聞いたものではない」と2020年3月2日参議院予算委で答えている。結果として対策が功を奏したとしても、そのことと意思決定の過程が正しかったかどうかは別問題で、結果の妥当性は過程の妥当性を正当化しない。 こうした専門性の軽視は「第二官僚」(官邸官僚)の形成という視点で捉えると理解しやすいのかもしれない。 野球や相撲でもプレイヤーの出身や経歴、実績、得意技を把握しておくと試合や取組を見るのが楽しくなるし、ニュースで名前を耳にしても「ああ、あの時の人ね」と分かるようになる。同じように第二官僚のプレイヤーもその辺を覚えておけば、別

    安倍政権での「第二官僚」のメンバー - やしお
    tano13
    tano13 2020/03/20
  • 誰かを貶める笑い - やしお

    新しく始まったアニメ「アフリカのサラリーマン」の第1話をこの前見て、「誰かを貶めることで発生する笑い」みたいなのはもう、見るのがしんどいなと思った。 二足歩行の動物たちのコメディで、電車で通勤していたサラリーマンが女子高校生によって痴漢にでっち上げられそうになるというエピソードが前半に流れた。サラリーマン(オオハシ)は女子高校生(ゴリラ)に向かって「鏡見ろブス」と言う。またサラリーマンの同僚(トカゲ)は、オオハシがスマホでデリヘルのウェブサイトを見ているのを女子高校生に示し「こいつのスマホを見て下さい。素人JKには興味ないんです。プロのババアにしか反応しないんです。(だから痴漢はしていない)」と擁護する、オオハシは「人の性癖ばらすのやめてくれる?」と怒る、という場面だった。 また後半では、合コンに出席したオオハシ(男)が、相手側の女性がみんな可愛かったので遅れている最後の一人にも期待してい

    誰かを貶める笑い - やしお
    tano13
    tano13 2019/10/12
  • オリンピックや医大で見せられる部分最適のこと - やしお

    人が死ぬレベルで暑いけどオリンピックはどうするの、という話で「打ち水をする」「マラソンを早目の時間にやる」といった案はせいぜい部分最適でしかなく(それすら怪しく)、全体最適なら「10月に開催する」(あるいは開催しない……)でしかない。 女性の医者は結婚や出産を機に退職してしまう、という話で「男性の医者を増やすために医大の入試で女性だけ点数を下げる」は医大側の狭い損得から導かれる解でしかなく、全体最適なら「医者や女性の(性差別に基づく)労働環境・構造を改善させる」でしかない。 誰だって真っ先に思いつく全体最適の解が踏みにじられながら、対症療法が「必要悪」「妙案」として当に実行される姿を見せられると、たとえそれが自身の利害に直結する話でなかったとしても精神が疲弊する。誰だって自分たちが生きている世界で「まとも」がきちんと機能するところを見たい。部分最適によってひずみやしわ寄せが発生して苦しむ

    オリンピックや医大で見せられる部分最適のこと - やしお
    tano13
    tano13 2018/08/08
    当事者意識を持てば変わるなら持つけどなー。今は決壊した堤の上で呆然としている気分だ。
  • システムをハックする首相 - やしお

    安倍首相・内閣の言動がはちゃめちゃだとするなら、「どんな風にはちゃめちゃなのか」というより「どうしてはちゃめちゃが成立するのか」の方に興味があるし、「首相は愚かだ」と嘆くよりは「愚かな事態をシステムはどのように許したのか」を知りたい。 今の時点でどう見えているか記録を残しておけば、10年後くらいに読み返して面白いかもしれないと思って。 はちゃめちゃが成立する構造 はちゃめちゃが安定して存在するには、「はちゃめちゃを許容する構造」と「はちゃめちゃを用意する構造」の両方が必要になる。 おふとん(=眠気を許容する構造)と眠い人(=眠気を用意する構造)の両方がそろって安定した睡眠が成立するみたいな感じ。おふとんだけあっても全く眠くなければ睡眠は発生しないし、眠い人がいてもおふとんが無ければぐっすり眠れず目が覚めてしまう。 それから眠くなかったのにおふとんに入ったら眠くなってしまうといった、「許容す

    システムをハックする首相 - やしお
    tano13
    tano13 2017/06/02
    野党の中の人も分かってはいるんだろうが、現状はのちの歴史の上で「抵抗はしましたよ」という記録を残す行動しか選択肢がないのだろう。
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