以前、この研究員の眼で個人型確定拠出年金制度について書いた。その際に制度のメリットが加入者の立場によって異なることや、運用の開始と終了のタイミングによって運用利回りが異なる可能性があることに触れた。後日、その文章を読んだ方から「日本株への投資はやめたほうが良いのか」という質問を頂いた。筆者が運用に携わるようになってから40年近くなるが、この世界に絶対の解がないことを痛感している。ただ、過去の事例から学べることは多いと考えている。そこで、今回は二つの視点から頂いた質問について考えてみたい。 最初の視点は日本株への投資を異なる期間で評価した場合はどうかというものである。前回、筆者が示したのは、15年間にわたって毎月一定の額を日本株のインデックスファンドに投資し、その終了時点における運用成果がどう推移するかを見たものであった。15年というのは日本で確定拠出年金がスタートしてからの期間に相当する。