日々デザインをしていて思うのは、世界はすでによくできたモノで溢れているということだ。誰もが認める名作から100円均一で売っているような器まで世の中にはモノがすでにたくさんあって、ダメだったりよくできていたり、安かったり高かったりする。デザイナーとしてゼロから新しいものをつくってみたいという欲求はあるのだけれど、何か最小限のものを付け足したり視点を変えてみるだけで、いつもの風景が違って見えるようなことはできないだろうか。例えば有名なことば遊び「ここではきものをぬいでください」のように、句点を打つ位置によって「ここで、はきものをぬいでください」「ここでは、きものをぬいでください」といった具合に文章の意味が変わってくるように、最小限のデザインによって目の前にある見慣れた風景が少しだけよく見えたり、愛情をもって接することができるようにならないだろうか。もう少し現実味をもつように言い換えてみると、見