「えっ、36年後?」。JR東海がリニア中央新幹線を大阪まで延伸する計画を発表した先日の記事を見てわが目を疑った。 同社は2年前に東京−名古屋間で平成37年をめどにリニアを先行開業させると発表したが、大阪への延伸についてはスケジュールを明らかにしていなかった。今回は具体的な延伸時期を初めて示し、その点では一歩前進したといえる。だが、問題は「平成57年」という時期だ。今から36年後、東京−名古屋間開業の20年後である。ちょっと遅すぎないか。 「自己負担で名古屋まで整備した後の企業体力の回復などを考えると妥当な時期」とJR東海はいうが、このころには日本の人口は減り、高齢化も進んでいる。大阪の人間からすれば、「予測しただけの需要を見込めず、結局は大阪延伸は実現しないのではないか」との疑いを持ってしまう。 いずれ大阪まで延びるとしても37年からの20年間、大阪から東京に行くのは不便になる。東京−名古