【連載「働く」を考える】 「休憩すると給料が減るからね」。タクシー運転手の金城勉さん(63)は、食事もそこそこに長時間、ハンドルを握る。3日夜勤に出て1日休む生活を続けて12年。休日返上で働くこともあり、月25日出て手取りは17万円程度だ。 夜勤は午後5時~翌日午前5時の12時間。労働基準法は労働時間が6時間を超える時は45分以上、会社の就業規則でも12時間内に4時間の休憩を定めているが、金城さんは「1時間も休んでいない」と打ち明ける。 週末には多い時で25~30回、客を乗せる。走行距離は一夜で約200キロ。食事は車内で弁当を食べるか、食堂で早々と済ませる。こうした休憩は1時間足らずで、実働は11時間に及ぶ。 ■ ■ ところが、「会社の日報では4時間休んだことになっている」。売り上げのうち運転手が受け取る割合は地域や会社によって異なり、首都圏では65%の所もあるが、金城さんは50%前後