「あなたは動物が好きですか?じゃあ、どうしてその動物を殺して食べることができるのですか?」 最初に伝えておこう。 この記事は、とんでもなく長い。 私が書いた作品の中で比較しても、本の次に長い。 それはこの問題を取り上げるにあたり、一ヶ月以上にわたる密着取材を行なったのち、当事者と専門家にもインタビューを行い、それらを全て、ひとつの記事につめこんだからである。 (雨の日の取材) 興味のない部分は、飛ばしてもらっても構わない。 だけど私は、人間が多くの命を犠牲にしているとういう事実がある限り、どんなに面倒臭くても知るべきだという思いでこれを取り上げた。 ちょっと時間がかかるかもしれないけれど、もしもあなたが「肉」を食べたことがあるのなら、どうか最後まで読んで欲しい。 ーーー まずは問いかけたい。 あなたは動物が、好きですか? この質問を通してみなさんの頭に浮かんでくるのは、きっと一般的に「愛玩
日本中の人たちが食べるものに困っていた、戦時中。配給も限られており、その中でもどうにかお腹を満たし、少しでもおいしく・楽しく食べるために趣向を凝らした料理が存在する。 それをまとめたのが、『戦下のレシピ――太平洋戦争下の食を知る(岩波書店)』(以下、『戦下のレシピ』)だ。ドラマ『ごちそうさん』(NHK)や、映画も話題になったマンガ『この世界の片隅に』(双葉社)などの参考資料にもなった名著である。 www.amazon.co.jp 当時の料理を実際に食べると何を感じられるのか、『はだしのゲン』(集英社など)を読んでいた子ども時代から気になっていた。 いま作れば、当時の食生活と切実さを肌で感じられるはず。 ごはんがドーンと増える?「楠公飯」 『戦下のレシピ』は、女性誌に載ったメニューを中心に掲載している。 最初は『主婦之友』昭和19年4月号で後藤貞子氏が紹介する玄米の炒り炊きだ。 通称・楠公飯
日曜日に、十年ぶりくらいで串カツ田中に行った。串カツ田中は、今や株式上場してしまった、どこの街にも展開している串カツチェーンだが、上場するずっと前に、1号店が開店してすぐに、何回か行っていた。1号店は、世田谷通り沿いの自宅の結構近くにあり、馴染み深いこんな近所で、ガチの串カツが食えるようになったのか、素晴らしいなと思って食いに行った。 しばらくして「店舗増えてきたなー」などと思いながらニューヨークに移住してしてしばらくすると、2016年にマザーズに上場して、今年は東証一部に上場したらしい。すごい。世田谷通りの小さい、場末感すらある(しかし活気はあった)串カツ屋が東証一部上場っていうのはにわかに信じがたい。 長男がまだ1歳だったころ、看護師である妻が夜勤で、何か食いに行こうと思って、ベビーカーを押して開店してすぐの世田谷の1号店に行った。そのときお店には客が私と長男しかいなくて、長男が椅子で
Twitterユーザーなら、一度は @May_Roma というアカウントを目にしたことがあるのではないだろうか。やたら英語と海外事情に精通した英国在住の日本人女性。超がつくほどリアリスティックかつ辛辣な語り口で日本社会をぶった切るかと思えば、ヘヴィメタルへの偏愛を語り出す、一児の母── 。 実は『メシ通』で「極限メシ」を連載しているフリーライターの西牟田靖は、10年以上前から、つまりSNSがここまで広まる前から「めいろま」こと谷本真由美氏と親しい友人だった。たまに彼女がイギリスから帰国したときは、杯を傾けつつ近況報告を行う仲である。 そんなわけで、ここでは友人の西牟田が帰国中のメイロマさんに食についてインタビューした内容をお届けしたい。自身の食遍歴から知られざる英国の食事情、さらには日本の特異性まで、実に彼女らしい機知に富んだ内容になった。 ▲インタビューを行った後の帰り道にて。彼女と飲む
寿司は、昔からある大きな日本文化の一つといえる。でも、寿司を作る職人の世界は男性が占めているもので、女性寿司職人を見ることはなかなかない。 そんな中、 パイオニアとして突き進んでいる女性寿司職人がいる。 東京・秋葉原にある「なでしこ寿司」で店長をつとめている千津井由貴さんだ。 強みは寿司の美しさ 「なでしこ寿司」は女性職人が本格的な江戸前寿司を握る寿司店である。女性職人だけを揃えた寿司店は日本初であり、2010年に開店した時も業界をざわつかせた。 千津井さんは、オープン前に雇われ、現在は店長として板場に立ち、一人で築地へ仕入れにも行く。 千津井さんが握る寿司の一番の強みは、その見た目の美しさだ。もともと美術大学でグラフィックデザインを専攻しており、それが寿司ととても似ていると言う。 「例えば日本の国旗はとてもシンプルな要素で作られていますが、そこにどれくらいの意味があるのかをパッと表してい
headlines.yahoo.co.jp 大学学食を受託していた給食業者が倒産した。最近は美味しい学食、個性的なキャンパスキッチンがメディアに登場することが増えたこともあって、「まさか、学食が潰れるなんて…」という声が多いみたいだが、元業界の営業をやっていた立場から言わせてもらうとちっとも「まさか」ではない。「だろうな」って感想しか出てこない。大学学食は一部を除けば、ウマ味のない案件なのが業界内の常識だからだ。何らかの対策を講じないと、今後、大学の学食の閉鎖は増えていくかもしれない。実際、僕が携わっていたときは学食を積極的に攻めるのを禁止されていた。上からの指示に反旗を翻して女子大の学食への入札、コンペだけは積極的に参加していたのは個人的な思いがあったからにすぎない。以前、拙ブログで取り上げた学校給食と学食ではまったく違う(元給食営業マンが話題の「マズい」学校給食を考察してみた。 - E
特に呼ばれてないけど出てきた。 https://anond.hatelabo.jp/20171014062408 なぜって話なら簡単で、そのほうがわりと得する人多いから。 とりあえず食い物捨てるのもったいねーとかロスチャージがーとかいう話は置いとく。ロスチャージの話はあとでするかもしれない。 えーとまず前提として、廃棄ってのは店舗側にとって「かならずしも」不利益なものではない。というのは、廃棄が出るっていうのはどういう状況かというと「商品が充分にある」ということだからだ。弁当とかは、1日に2回とか3回とか店に来る。朝飯晩飯なんかにあわせて納品があるわけだけど、納品と納品にはとうぜん谷間ってものがある。コンビニっていっても朝昼晩がいちばん混雑するわけだけど、同時に「コンビニでメシ済ます」の状況について考えてほしい。たとえば昼メシ食いそこなったときだとか、残業すっげー遅くて牛丼屋しか営業してな
2015年は3兆3254億円、日本のお菓子業界の現状お菓子は老若男女を問わず食生活に彩りを添え、憩いのひと時を与えてくれる、憧れのアイテムに他ならない。そのお菓子の業界規模は、全国菓子卸商業組合連合会と全日本菓子協会が共同で設立したe-お菓子ねっと製販代表会議運営による「e-お菓子ねっと」が発表している年次レポートによれば、2015年時点で3兆3254億円(小売りベース)に達している。今回はこのレポートをベースに、複数面から日本のお菓子業界の現状を確認していくことにする。 まず都合7年間における主要区分別のお菓子の販売動向を記したのが次のグラフ。 ↑ 菓子小売金額の構成比率(2009年~2015年)↑ 菓子小売金額(2009~2015年、億円)↑ 菓子小売金額(2015年、億円)昨今の高齢化を受けて米菓のシェア・売上高は伸びを示している。一方で意外にも和生菓子の伸び悩みが目立つ。また洋系の
上原善広『被差別のグルメ』(新潮新書)を読む。以前読んだ同じ著者の『被差別の食卓』の続編的な書。有意義でとても興味深い。上原は自分が被差別部落=同和地区出身であることを隠すことなく、そのことを前向きに語っていく。作家の中上健次にならって同和地区を路地と呼び、路地の食文化を記録していく。前著で世界の被差別地区の食文化を調査していたのに対して、本書では日本国内の被差別地域の食を調べて歩く。それは、路地、アイヌ、北方少数民族、沖縄の島々、在日だ。 路地の典型的な食物であるアブラカスが写真入りで詳しく語られる。これは牛の腸をヘット(牛脂。関西ではヘッド)で炒り揚げたものだ。もともと生の腸をそのまま鍋に入れてじっくりと弱火で長時間火を入れたもので、こうすると腸に大量に付いた脂が融けて、鍋は脂で満たされる。この脂で腸はカリカリに揚がり、残った脂はヘットになるという。 ほかにも「クワ」という肺臓の味噌煮
料理を製造する3Dプリンタ 最近は家電量販店でも販売されるなど日本でも普及し始めている3Dプリンタ。その多くはABSやPLAと呼ばれるプラスチック素材から成形しているが、将来的には3Dプリンタで料理を作ることもできるようになるのをご存じだろうか。 昨年の初め、米国テキサス州に本社を置くシステムアンドマテリアルズリサーチ社が「3Dフードプリンタ」の開発資金として、NASAの中小企業向け出資プログラムで12.5万ドルを獲得した。この3Dフードプリンタは、宇宙飛行士が宇宙空間でも新鮮で美味しいものが食べられるように企画されたものだ。 システム社がNASAに提出した企画案によれば、カートリッジに乾燥したタンパク質や脂肪などの栄養素や香料などが粉状のなったものを使い、プリンタヘッドで油と水を混ぜる。それらがノズルから熱されたプレートの上に押し出され、層が積み重なるように料理が製造されていく。様々な形
以前、あるベーカリーレストランで食事をした際に、ものすごく混雑していたこともあって、長時間待たされ、その店のセールスポイントである「焼きたてのパン」が、ほとんど運ばれてこない、ということがありました。 そこで、「お客様の声」に、感じた不満を書いて帰ってきたのですが、後日、その店から、「手書きのお詫びの手紙」が送られてきました。 僕の分と、妻の分と、2人分。 一字一句違わない、まったく同じ文面です。 その手紙を見て、僕は「ああ、あのあと、アルバイトの人か店員さんが居残りさせられて、お手本通りに、この『反省文』みたいなのを書かされたんだなあ……悪いことしちゃったなあ……」と思ったんですよね。 マニュアル通りの対応なんだろうけど、クレームの内容にかかわらず、夫婦に二通、まったく同じ文面で送ってこられても、「罰ゲームやらせちゃったな……」という後味の悪さしか残りません。 「感謝のことば」とか「謝罪
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