第1部 「任せる」育成法 そのメリットとテクニック 人を育てるには、仕事を任せて、実際にやらせてみることが一番だ。 しかし、「もしも失敗してしまったら…」、「任せることで重荷になるのでは…」と及び腰になりがちだ。 “仕事を任せる”ことの意義と、そのテクニックについて専門家に聞いた。 OJTのさらに先 部下が自ら考え、行動する 何事も「習うより慣れろ」と言われる。何かを習得するのなら、座学で教わるよりも、実践が早いということだ。 いわゆるOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)がまさにそれに当たるが、そこからさらに進んだ人財育成法はないのだろうか。 「『思い切って仕事を任せること』。これに尽きると思います」 こう語るのは、『任せる技術』などの著書を持つ経営コンサルタントの小倉広氏だ。 「任せるとは、単に仕事を与えるだけでなく、部下が自分で責任を持ち、自分で考え、行動・決断して一つのことを完遂