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ブックマーク / econ101.jp (13)

  • アダム・トゥーズ「ドイツの財政健全化への執着は、有権者を極右の支持に追いやっている。近年のドイツの成功とされているものについて」(2023年10月9日)

    民主主義国家が、こうした緊急、明白、十分に理にかなった要求に応えず、ナンセンスな財政健全化の原理を優先するなら、正当性を喪失してしまうのも不思議ではない。国家による自殺行為だ。 ドイツの政権与党SPD(ドイツ社会民主党)は、バイエルン州とヘッセン州の地方選挙で大敗した。この大敗は、今のドイツを覆っている雰囲気を示している。ドイツの各地域には固有の問題があるが、ヘッセン州とバイエルン州は、ドイツ連邦のジグソーパズルにおいて重要なピースであり、この2つの州で現首相のシュルツが率いる〔中道左派政党〕SPD(ドイツ社会民主党)は、〔極右政党〕AfD(ドイツための選択肢)の後塵を拝し、メンツが丸潰れとなった。 SPDは、ヘッセン州での健闘を見込んでいたのだが、AfDの18.4%に対して、15.1%という惨憺たる結果だった。金融の中心地フランクフルトを含むヘッセン州は、極右政治の長い伝統があるが、今回

    アダム・トゥーズ「ドイツの財政健全化への執着は、有権者を極右の支持に追いやっている。近年のドイツの成功とされているものについて」(2023年10月9日)
  • ノア・スミス「実は日本は様変わりしてるよ」(2023年1月23日)

    By 稲ノ歯鯨 – Own work, CC BY-SA 4.0 2020年代は1990年代とはちがう BBC の東京特派員ルーパート・ウィングフィールド=ヘイズが書いた,日についてのエッセイが広く話題になってる〔日語版〕.ぼくも読んでみたけれど,ひどくいらいらしてしまった.このベテランジャーナリストは――2012年から日に暮らして働いたすえに――日の印象をまとめている.彼によれば,日は停滞して硬直した国で,「ここに来て10年経って,日のありようにもなじみ,次の点を受け入れるにいたった.日は,変化しそうにない.」 でも,日に暮らしたことがあって,2011年以降も年に1ヶ月間ほどここに来て過ごすのを繰り返してる人物として,そして,日経済についてかなりの分量を書いてきた人物として言わせてもらえば,日はまちがいなく様変わりしてる.すごく目につきやすくて重要なところがあれこれ

    ノア・スミス「実は日本は様変わりしてるよ」(2023年1月23日)
    zyesuta
    zyesuta 2023/02/02
  • タイラー・コーエン 「バーナンキの学術面での功績を振り返る」(2005年10月24日)

    Federal Reserve History(https://www.federalreservehistory.org/people/ben-s-bernanke)より。 ●Tyler Cowen, “Ben Bernanke, economist”(Marginal Revolution, October 24, 2005)/【訳者による付記】バーナンキがFRBの議長に就任することが決まったのを受けて書かれた記事(2005年10月に書かれた記事)である点にご注意ください。 ベン・バーナンキの学術面での功績を私なりにまとめると、以下のようになる。 1. 不可逆的な投資理論:バーナンキ、ディキシット(Avinash Dixit)、ピンディック(Robert Pindyck)らが「投資の不可逆性」に関する理論を発展させるまで――1983年頃まで――は、企業による投資(設備投資)を可逆的であ

    タイラー・コーエン 「バーナンキの学術面での功績を振り返る」(2005年10月24日)
    zyesuta
    zyesuta 2022/10/13
    「並の不況で収まらずに「大」恐慌にまで発展したのは、デフレのせいであり、その余波が国境の枠を超えて世界中に波及したせいであり、(金本位制という)硬直的な為替制度のせいだったというのがバーナンキの結論」
  • ノア・スミス「みんなが待ち望んでいた授賞:カード、アングリスト、インベンスのおかげで経済学はより科学的になった」(2021年10月12日)

    Noah Smith ”The Econ Nobel we were all waiting for -Card, Angrist, and Imbens have made econ a more scientific field.-“, Noahpinion, October 12, 2021 新しい考えは全てを疑いに持ち込み、 火の元素は完全に消失し、 太陽も大地も失われ、誰の知恵をもっても どこを探すべきかは教えてくれない ジョン・ダン 2021年のノーベル経済学賞は、その実証経済学における業績によってデビッド・カード、ジョシュア・アングリスト、グイド・インベンスが受賞した。誰がノーベル経済学賞を受賞するかを予測するのにはとっても簡単なやり方がある。その分野においてまだ受賞してない最も影響力のある人たちを並べて、ミクロ理論家が2年連続で受賞することはないと仮定するんだ。最も影響力の

    ノア・スミス「みんなが待ち望んでいた授賞:カード、アングリスト、インベンスのおかげで経済学はより科学的になった」(2021年10月12日)
    zyesuta
    zyesuta 2021/10/14
    「短期的には僕らはみんな自分の選んだ政治が勝つことを望んでる。でも政治の名のもとにあまりにも長く現実を無視してしまうと、しまいには僕らが叫ぶ命令に自然の摂理は従うことを拒むことになるだろう。」
  • Ball et al.「アメリカのインフレ率:離陸確実か?」(2021年5月7日)

    [Laurence Ball, Gita Gopinath, Daniel Leigh, Prachi Mishra, Antonio Spilimbergo, “US inflation: Set for take-off?” VoxEU, May 7, 2021] いまアメリカで進行中の財政拡大はどこまでインフレを押し上げると見込まれるだろうか? コラムでは,次のことを示す新たな証拠を提示する――すなわち,COVID-19 危機がはじまって以降,これまでのところ,消費者物価指数 (CPI) の基調(加重中央値)は安定して下がってきている.これは,歴史的なフィリップス曲線の関係からおおむね予測されるとおりだ.一部の論者が予測するように進行中の財政拡大によって失業率が 1.5%~3.5% に下がったら,2023年までにインフレ率の基調は約 2.5%~3% にまで上がりうる.財政拡大が一時

    Ball et al.「アメリカのインフレ率:離陸確実か?」(2021年5月7日)
    zyesuta
    zyesuta 2021/05/18
    「財政拡大によって失業率が 1.5%~3.5% に下がったら,2023年までにインフレ率の基調は約 2.5%~3% にまで上がりうる...インフレスパイラルのリスクはほぼないにひとしい」日本も金融、財政一体で進めていれば今頃は。
  • ノア・スミス「現代中国と大日本帝国」(2021年5月4日)

    [Noah Smith, “Contemporary China vs. Imperial Japan,” Noahpinion, May 2021] おおよそ,両者はてんで別物だ. 東アジアで米中の対立が強まって軍事的な緊張が高まってきている件があちこちで議論されている.そのなかで,かなりよく見かける話に,こんなのがある.「2020年代の中国と1930年代の大日帝国には,いろいろと類似してる点がある.」 似ていると考える理由は,わかりやすい――どちらも東アジアの国だし,アメリカとの各種関係が悪かった.でも,ほんのいくつかならちょっと似てるところもちらほらあるとはいえ,おおよそこの2つは大違い,別物だ. 相違点は多すぎて,とてもじゃないけど列挙していられない.ただ,そのなかでも大きなちがいが3つある.米中が紛争をおこす可能性を考えるときに,この3つはとりわけ重要だ.で,その3つとは: 統

    ノア・スミス「現代中国と大日本帝国」(2021年5月4日)
    zyesuta
    zyesuta 2021/05/07
  • ヴィラ et al.「財政緊縮とナチ台頭」(VoxEU, 2020年8月16日)

    [Gregori Galofré Vilà, Christopher Meissner, Martin McKee, David Stuckler, “Fiscal austerity and the rise of the Nazis,” VoxEU, August 16, 2020] 2007-2008年の金融危機で発生した債務への対策として,多くの西洋諸国は強い緊縮策を追求した.COVID-19 の経済刺激策パッケージののちにも,またこれを繰り返すかも知れない.このコラムでは,1930年代前半に,いかにして緊縮策が社会の苦境を悪化させ,政治的不安定を増す一因となり,やがてドイツにおけるナチ党の台頭の布石となったかをまとめる.稿の主張は次のとおり――ワイマール政府で生じた社会の苦境に対して一貫した対策がなされなかったことで,不況は悪化し,これがドイツ有権者の急進化と二極化を進める一因

    ヴィラ et al.「財政緊縮とナチ台頭」(VoxEU, 2020年8月16日)
  • ポール・クルーグマン「苦しむ日本がとるべき道筋」

    Paul Krugman “The Right Course for a Troubled Japan,” Krugman & Co., November 26, 2014. [“Structural Deformity,” The Conscience of a Liberal, November 20, 2014.] 苦しむ日がとるべき道筋 by ポール・クルーグマン Stephen Crowley/The New York Times Syndicate 日の安倍晋三首相が消費税増税の延期を模索してるのは,正しい.延期はいい経済政策だし,ぼくにとってはかなり新鮮な経験でもある――国のリーダーと会って,正しい政策の主張をして,その相手がまさにそのとおりにやってるんだもの.(もちろん,同じ主張をしてた人はぼく以外にたくさんいる.) ただ,懐疑の声もたくさんある.全面的に正当な疑いだ:

    ポール・クルーグマン「苦しむ日本がとるべき道筋」
  • ポール・クルーグマン「とにかくいま増税しちゃだめよ,日本さん」

    Paul Krugman, “Don’t Raise Taxes Just Yet, Japan,” Krugman & Co., November 14, 2014. [“Japan on the Brink,” The Conscience of a Liberal, November 4, 2014.] とにかくいま増税しちゃだめよ,日さん by ポール・クルーグマン Ko Sasaki/The New York Times Syndicate 現実の政策をめぐって1国をあげて論争になるとき――アメリカではそういう論争は起きていない.なにしろ,アメリカの右派は自分が「知ってる」ことがすべてで,証拠に目を向けることも間違いを認めることもないからだ――その意志決定は,中身の重要度を上回る意義をもつ.より広くその国が向かう方向をそうした政策が象徴しているからだ. さて,日では再度の消費

    ポール・クルーグマン「とにかくいま増税しちゃだめよ,日本さん」
    zyesuta
    zyesuta 2014/11/26
    ポール・クルーグマン「とにかくいま増税しちゃだめよ,日本さん」 Paul Krugman, “Don’t Raise Taxes Just Yet, Japan,” Krugman & Co., November 14, 2014. ["Japan on the Brink," The Conscience of a Liberal, November 4, 2014.] Tags: from Pocket November 14,
  • ポール・クルーグマン「罪深い行状――道義的にも知的にも」

    Paul Krugman, “Sins, Both Moral and Intellectual,” Krugman & Co., October 10, 2014. [“Knaves Fools, and Quantitative Easing,” The Conscience of a Liberal, October 2 2014] 罪深い行状――道義的にも知的にも by ポール・クルーグマン TUNIN/The New York Times Syndicate 都合がわるくなってくると,議論に負けてる人たちは,だんだん礼節をなくしていくものだ.「自分とちがう意見をもってる連中はアホかチンピラだ」と信じ込んでる人たちから,ぼくもよく攻撃される.でも,前にも説明したように,これは主に選択バイアスの問題だ.道理のわかった人たちどうしで異なる意見を交わす場面にでくわすことは,あんまりない.

    ポール・クルーグマン「罪深い行状――道義的にも知的にも」
    zyesuta
    zyesuta 2014/10/13
  • ポール・クルーグマン「30年代の再演:ヨーロッパは間違った教訓を学びつつある」

    Paul Krugman, “Europe Is Learning The Wrong Lessons,” Krugman & Co., September 19, 2014. [“The Structural Fetish,” The Conscience of a Liberal, September 9, 2014; “Replaying the 30s in Slow Motion,” The Conscience of a Liberal, September 15, 2014.] ヨーロッパは間違った教訓を学びつつある by ポール・クルーグマン Akos Stiller for The New York Times/The New York Times Syndicate 先日の『フィナンシャル・タイムズ』に,いま出現しつつある「ドラギノミクス」の方針に関する割とよさげな記事

    ポール・クルーグマン「30年代の再演:ヨーロッパは間違った教訓を学びつつある」
    zyesuta
    zyesuta 2014/09/21
    経済学の観点から見ると,効果的な危機対応のあとに続いたのは,緊縮策への見当違いな切り替えだった.
  • ポール・クルーグマン「ヨーロッパではダメな意志決定でぞっとする結果が生じてる」

    Paul Krugman, “Bad Decisions Yield Grim Results in Europe,” Krugman & Co., August 22, 2014. [“What’s the Matter With Europe?,” The Conscience of a Liberal, August 13, 2014.] ヨーロッパではダメな意志決定でぞっとする結果が生じてる by ポール・クルーグマン KAL/The New York Times Syndicate ほんの数ヶ月前,ヨーロッパの緊縮派はせっせと自画自賛にはげんでいた.南欧でほどほどに経済が上向いたのを見て,これこそ自分たちの対応の正しさを裏打ちするものだと宣言していた.ところが,いまやニュースで伝えられる状況はゾッとするほど雲行きがわるい.鉱工業生産は急落を見せ,またしても景気後退にずり落ちるのを

    ポール・クルーグマン「ヨーロッパではダメな意志決定でぞっとする結果が生じてる」
  • ポール・クルーグマン、日本への緊急提言

    Paul Krugman, “Japan: Don’t Ruin A Good Thing”, September 19, 2013. 日:いいところを邪魔すんな by ポール・クルーグマン Paresh/The Khaleej Times – Dubai, UAE/CartoonArts International/The New York Times Syndicate ここまでのところ、アベノミクスはホントにホントうまくいってる。「日銀行は変わったんだ」、「宴もたけなわのところで酒瓶を片付けてしまうようなマネはしない」、「持続的なプラスのインフレ率を目標にする」とシグナルを送り、また、債務は高水準ではあるものの、なんらかの財政刺激をまもなく行うというシグナルも送ることによって、日の当局者たちは、短期の経済実績で刮目すべき転回を成し遂げた。 でも、この短期の成功は、自己破滅的なお

    ポール・クルーグマン、日本への緊急提言
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