サッカーをしたくてもできない子どもたち~「ボール遊びがうるさい」が奪う「権利」 一方的に禁止するのではなく、対話を 西郷南海子 教育学者 サッカーは選ばれし子どものスポーツに つい先日、ボールを駐車場の車に当ててしまい、叱責されている子どもたちのグループに出くわした。 子どもたちの数人は身体を震わせて泣いていた。筆者にとって衝撃だったのは、叱責している人物が車の持ち主ではなく、公衆ルールの観点から子どもグループを叱っているということだった。さらにいえば、その人物は幼い子どもを連れており、子育て中ということが一目瞭然であった。 「ボール遊びがうるさい」という事象は、全国各地で社会問題化している。先日も、長野県で児童福祉施設に隣接する公園が使用停止になり、大きな話題となっている。静かに暮らす権利を主張しているのは、主には退職後に自宅で過ごしているシニア世代かと思いきや、筆者の先日の出来事は、必