●Tyler Cowen, “How hot did you say it was?”(Marginal Revolution, July 19, 2012) 実のところ、こと気温に関しては、「現実」と「認識」との間には何らのつながりも見出せない。横軸に現実の気温(その人が暮らす地域の平均気温 [1] 訳注;正確には、その地域の「過去3年間の平均気温」と「過去30年間の平均気温」の差)をとって、縦軸に気温に関する人々の認識――平均気温が上がっていると考えるか、下がっていると考えるか、変わりがないと考えるか――をとると、水平な直線が描かれるのだ。統計的な手法を使った分析によると、現実の気温は人々の認識にほとんど影響を及ぼしていないことが見出されたのである。〔学歴が高い人ほど、平均気温が上がっていると考える傾向が強く、それゆえ〕「教育」は現実と認識のギャップを埋める方向に働くが、その効果の大き