また良い本に出合えた。今よりはるか未来の、すでに地球は人類が住めない星になってしまい、月を始めとする宇宙のあちこちに移住して、ネコビトやイヌビトやさらにヒトとはまるで違った異星人とも共存するようになった時代のお話。そうSFファンタジー小説だ。 著者は児童文学作家のようなので、この本も若い読者のために書かれたのかも知れない。この本の「あとがき」でも、ご自分が少女時代に愛読したハヤカワSF文庫やサンリオSF文庫に触れ、深夜ふとTwitter(今のX)に『昔のSFみたいなお話を書きたいな』と呟いたことからこの本が生まれたと書かれている。もしかしたら、私はこの本の最高齢読者かもしれない。 母なる星地球が生物の住めない惑星と化し、人類と共に地球を離れた犬猫は、新しい人類ネコビト・イヌビトとなり、「古き人類」ヒトとともに星の海で暮らしている。月に住むネコビトの編集者キャサリンは、新聞社の記念事業として