5巻まで読了した。 昔の貧困は桁が違うなと思った。貧乏も度が過ぎるとここまでくるのかと、自分の想像力の貧困さをむしろ思い知らされる気がした。 もともと1960年ころ書かれた書物なので、いまから50年前のものだ。その時代ならではの限界もある。自身が批判しているはずの差別意識を無意識に引きずっているような記載も随所に見られる。たいがいそういう箇所は面白くなくて、淡々と取材した事実を述べてある箇所のほうが興味深く読めたのだが、だいたいその筆致は宮本常一のそれだったように思う。 1960年当時にはまだこの貧しさが国民の多くに記憶されていたのだろうと思う。であればこそ貧乏人は麦を食えと言った云々で首相が退陣に追い込まれたり、ちょっと後になって出てきた田中角栄が日本列島改造論など唱えてみるみる人気を伸ばしたりしたんだろうと思う。それは平等意識が根付いたとか経済成長がいよいよ国民に自信を与えたとかいった
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