アサヒビールが、大豆系ビール飲料からの撤退を決めた背景には、第3のビール市場で、麦芽系が爆発的な人気商品になっている点がある。また、ビール系飲料全体のシェア争いを繰り広げているキリンビールと戦略の差別化を図ることで、第2位のキリンを一気に突き放す狙いも見え隠れする。 平成20年のビール系飲料全体の出荷量は、ビール、発泡酒がそれぞれ前年を下回る一方、第3のビールは前年比13・8%増と大幅な伸びとなった。各社とも第3のビールは成長市場と位置づけており、21年も12~30%の伸びを見込む。第3のビール市場での勝敗がビール類全体のシェアを左右するとの判断は各社の共通認識になっている。 そこで、第3のビールの新商品開発力や販売戦略が問われることになる。中でもビール愛飲者に支持された麦芽系が鍵を握る。麦芽系は第3のビールの構成比で、19年の約31%から20年に約46%までシェアを伸ばした。今年は半数を