現在活動停止中の政府の税制調査会において、会計検査院から相続財産に係る譲渡所得の課税の特例に関する意見が提出されている。 相続により財産を取得した個人が、相続の開始があった日の翌日から相続税の申告書の申告期限の翌日以降3年を経過する日までの間に、その相続財産を譲渡した場合には、その譲渡所得の計算上、譲渡した相続財産に対応する相続税額も、取得費として控除できることとされている。これは、相続税の課税対象となった相続財産の譲渡が相続の直後に行われる場合に、相続税と所得税が相次いで課されることの負担調整を目的としている。 さらに、土地等を相続する場合については、譲渡した土地等に対応する部分に限らず、相続した全ての土地等に対応する相続税額を取得費として、譲渡した土地等の譲渡収入から控除することができることとする特例が1993年(平成5年)に設けられている。これは当時の地価の動向、相続税評価割合の引上