全国各地の鳥瞰(ちょうかん)図を残し、「大正の広重」とも呼ばれた京都出身の絵師吉田初三郎(1884~1955年)の作品「西桑名」の原画が、桑名市修徳小学校で見つかった。中央町の市中央図書館は移管を受け、26日まで原画や関連資料を公開している。 鉄道網が整備され、観光ブームが湧き起こった大正から昭和初期。鳥瞰図は高所から見下ろした風景を想像して描くため、各地の観光案内図に活用された。初三郎は生涯千六百点以上を手掛けたという。昭和天皇(当時皇太子)が作品を称賛され、自治体や観光協会から引く手あまたの人気絵師となった。