「戦争の悲惨さを伝える貴重な資料であることに変わりはない」。南九州市が世界記憶遺産の国内候補に申請し、24日、落選が決まった知覧の特攻関連資料。関係者は、落胆しながらも資料を平和に役立てていく決意を新たにしていた。 選考結果は同日、文部科学省から南九州市に伝えられた。これを受け、霜出勘平市長は知覧特攻平和会館で記者会見を開き、無念の思いを語った。 昨年落選し、隊員の世話をした女学生の日記などを加えての再挑戦だった。市長は「2回目の落選で大きなショックを受けた」と唇をかみしめ、「より多くの国で、世界中の人々に特攻兵の遺書や家族に宛てた手紙を見てもらう機会があればよかった」と説明不足を悔やんだ。 ただ、ハワイに保存してあり、日本が降伏文書に調印したことで知られる戦艦ミズーリで市が4月に開いた特攻資料の展示会は手応えがあったという。記者会見に同席した市世界記憶遺産推進室の桑代睦雄参事は「特攻の悲