ウェブスケールディスカバリの衝撃 佛教大学図書館:飯野勝則(いいの かつのり) 1. はじめに 近年、図書館における新しいツールとして、「ウェブスケールディスカバリ」(Web Scale Discovery、以下WSDと呼称)の存在感が大きくなりつつある。WSDは、時に「ウェブスケールディスカバリサービス」、あるいは単に「ディスカバリサービス」などと称される。本稿ではWSDが図書館とステークホルダに与えた「衝撃」を中心に、その動向を紹介する。 2. WSDとは何か 2.1 製品としてのWSD WSDは、ユーザーインターフェース等の特徴から次世代OPAC(Next Generation Catalog、以下NGCと呼称)と称される製品の一翼を担っている(CA1727参照)。NGCはオープンソースの製品から、システムベンダによる商品まで、その種類は多岐にわたるが、WSDと認識されるものは少