「洗剤に負けない洗浄力」などの表示には根拠がないとして、消費者庁は、マグネシウムを使った洗濯用品「洗たくマグちゃん」を販売した宮本製作所(茨城県古河市)に再発防止を求める措置命令を出した。東京大学非常勤講師の左巻健男さんは「マグネシウム洗濯では臭いや油汚れは取れず、実質的には水洗いと変わらない。科学的な用語を使ったあやしい商品には注意が必要だ」という――。 効果に根拠なしとされた「マグネシウム洗濯」 環境問題に関心を持ち、環境に負荷をかけないようにと、マグネシウム洗濯、洗濯ボールや洗濯リングなど、石けん・洗剤を使わないで洗濯する人たちがいます。 洗濯マグネシウムの「アルカリで洗う」という“科学的”な理屈に納得して使用していた人もいたでしょう。 ところが、マグネシウム洗濯製品には効果の根拠がないとして、消費者庁から景品表示法違反の措置命令が出されました。 洗濯の科学を含む界面化学を学生時代に
トリチウムを含む処理水の排出が、社会的関心を呼んでいます。復興庁が作成したゆるキャラをつかった動画やチラシが非難され、公開中止に追い込まれました。中国や韓国が、日本の対応を非難しており、国際問題にも発展しかねない雰囲気です(韓国はトーンダウンしたようですね)。日本の水産業にも関わる重要な問題ですので、科学的な事実に重点を置きながら、トリチウムを海洋に排出することの問題点について整理してみました。 トリチウムは重たい水素ですトリチウムは水素の一種です。水素には、普通の水素と、重たい水素あり、重たい水素の一種がトリチウムです。トリチウムは、普通の水素と比較すると中性子が二つ多いので三重水素とも呼ばれています。普通の水素とほぼ同じ性質を持ちます。 トリチウム(三重水素)は、余計な中性子をもつ、重たい水素です。 トリチウムはトリチウム水として存在するトリチウムは単独で存在するのではなく、トリチウム
福島第一原子力発電所の事故で出た放射性物質のストロンチウムを豚の骨を使って回収する技術を日本原子力研究開発機構が開発しました。捨てられる豚骨を利用しコストも抑えられることから将来的に廃炉作業での活用が期待されます。 東京電力・福島第一原発では、溶け落ちた核燃料を冷却したあとに出る汚染水に多くの放射性物質が含まれ、専用の施設で取り除く処理が継続的に行われているほか、地下の土壌などの一部に放射性物質が残っているとみられています。 原子力機構ではこうした放射性物質を効率的に回収する技術開発を進めていて、このほど豚の骨でストロンチウムと呼ばれる放射性物質を回収する技術を開発したと発表しました。 動物の骨に含まれるアパタイトという物質が持つ放射性物質を吸着する性質に注目し、豚骨を重曹を溶かした水に浸す処理をすることでストロンチウムの吸着能力を従来の吸着剤のおよそ20倍に引き上げることに成功したという
昨年12月、国立研究開発法人「理化学研究所」(理研)のスーパーコンピューター「富岳」による、マスク素材ごとの飛沫防止効果のシミュレーションが発表された。 これによれば、感染していればウイルスを他者にうつす可能性のある「吐き出し飛沫量」のカットは、不織布マスクで約80%、ウレタンマスクは約50%。うつされるかもしれない「吸い込み飛沫量」は、不織布が約70%、ウレタンは約30~40%しかカットされないらしい。 以来、街中や電車内でウレタンマスクをしている人を注意する、「ウレタンマスク警察」と呼ばれる人まで現れていると報じられている。行き過ぎた”警察行為”は厳に慎みたいところだ。 しかしながら、専門家からは「ピッタリ装着できるウレタンマスクは脇漏れしないものの、不織布は脇が開いている人が多いので(効果は)あまり変わらない」といった意見も。口元がゴワゴワせずつけやすく、色も選べてファッショナブルな
感情を強制起動する脳のツボ脳に電気刺激を与えてうつ病を治す技術が大幅な進歩をみせている / Credit:Canva脳は心臓と同じく、電気的な臓器です。 そのため近年、うつ病患者に対して脳に電気刺激を行う手法が着目されています。 ただ既存の電気刺激法は非常に大味であり、脳全体に大電流を流す方法がメインでした。 そこでカリフォルニア大学の研究者たちは、5年もの長期に及ぶ臨床試験の結果を元に「神経マッピング技術」を開発しました。 この神経マッピング技術は脳の各地に差し込んだ電極から、患者一人一人の神経回路の特性を認識し、その患者にとって最適な治療部位(刺激場所)をピンポイントで探し出すように設計されています。 そして今回、マッピング技術の性能を確かめるために、難治性うつ病に苦しむ36歳の女性患者に対して、はじめての試験が行われました。 その結果は、まさに驚きでした。 女性患者は覚えている限り5
政府は、博士課程に進学する大学院生に対し、支援を拡充する方針を固めた。先進分野を専攻する院生約1000人に、生活費や研究費として1人あたり年230万円程度を支給する。多くの院生はコロナ禍でアルバイト収入が減ったり、進路が限られたりして不安を抱えており、日本の科学技術力を支える若手研究者の「博士離れ」を食い止めるのが狙いだ。 2020年度第3次補正予算案と21年度予算案に関連経費計28億円を計上する。 支援対象は、情報技術や人工知能、量子技術、物質・材料の成長分野で延べ30大学程度、人文・社会科学を含む革新性が期待できる分野で延べ25大学程度を想定している。支給額のうち3分の2を政府が補助し、残りを大学が負担する。 大学が補助金を受けるには、博士号を取得した院生の就職支援計画を提出し、政府の審査をパスする必要がある。院生に企業への就職に関心を持ってもらうため、政府は計画にインターンシップ(就
文化庁の登録美術品調査研究協力者会議の座長を務めていた佐藤康宏東大名誉教授が、菅義偉首相が日本学術会議の推薦した新会員候補6人の任命を拒否したことに抗議し座長を辞任していたことが分かった。(望月衣塑子) 佐藤氏によると、10月1日に報道で任命拒否を知り、同3日午後、文化庁の担当者らにメールで「専門家を専門家として尊重しない政府のために働くつもりはない。今後は政府関係の仕事はすべてお断りする」「会議直前で迷惑をかけるが、多少とも迷惑をかけなければ抗議の意味もない。よろしく御理解願う」などと辞意を伝えたという。5日に担当者から電話で慰留されたが、意思は固く、別のメンバーを座長にしてもらうことで合意し、7日付で辞任した。 佐藤氏は「菅首相や杉田和博官房副長官は、一貫して戦争目的の科学研究に慎重な姿勢を示してきた学術会議を邪魔な存在とみなし、特定秘密保護法や安保関連法に異を唱えてきた6人を意図して
感染再拡大、旅行が原因 英、遺伝子解析で結論―新型コロナ 2020年12月10日20時34分 英スコットランド自治政府のスタージョン首相=8日、エディンバラ(AFP時事) 【ロンドン時事】英スコットランド自治政府のスタージョン首相は9日の記者会見で、今夏以降の新型コロナウイルスの感染再拡大は旅行が原因だったと発表した。英科学者チームがウイルスの遺伝子配列を解析した結果、夏季の旅行によって英国内外からウイルスがスコットランドに持ち込まれたと結論付けた。クリスマス休暇を前に、不要不急の旅行の自粛を住民に改めて呼び掛けた。 日本、脱コロナは22年4月 ワクチン接種出遅れ―英調査 感染拡大中の日本では、政府が推進する観光支援策「Go To トラベル」をめぐり、菅義偉首相が「感染拡大の主要な要因とのエビデンス(証拠)は存在しない」と主張している。スコットランドの調査結果は日本の議論にも一石を投じる可
ただ、部屋の外に出られないことが苦痛で……。同室の人たちも子どものイベントやお祭りに参加できないことを「そこだけはつらいね」と話していたんですね。 当時、音声と映像はやり取りできました。音声はマイクというインプット(入力装置)とスピーカーというアウトプット(出力装置)があり、映像はカメラとディスプレイがあったわけです。 でも、体の動きに関しては当時、ジェスチャー入力もジェスチャー出力もどちらもなかった。外部とインタラクション(相互に作用)できる機械が欲しいなと思って探したけれど、売ってない。だったら、自分が研究者になって、作って、企業と連携するか起業するかして、社会に広めていくしかないと思って、研究者になろうと進路を決めました。 ――世に知られるきっかけとなったポゼストハンド。「操られる手」という意味を持つこの装置は、コンピューターからの信号によって人間の手を動かすことができます。この発想
ふぁぼん @syobon_hinata Dr.Stone、前から存在は知っていたのですが初めてWikipediaの最上部(一応ネタバレ回避)を見たところ、「話数がZ=n表記、第二部がZ=82で終わって第三部がZ=83で始まりZ=137で終わり、Z=138から話の中核である本章に入る」という構成があまりにも美しすぎてため息が出た 2020-11-26 00:12:02 ふぁぼん @syobon_hinata 原子番号のことを文字でZと表記します。たとえばZ=1は水素 Z=82、つまり鉛は安定同位体を持つ最後の元素 Z=83、つまりビスマスからは安定同位体が存在しません Z=137の元素は「存在可能な最後の元素」という説があります Z=138以降は未知の領域なわけです 2020-11-26 00:21:41 ふぁぼん @syobon_hinata え、さすがにこれは誰か気付いてて既知だろと思っ
(CNN) オランダの研究チームが、これまでの医学では知られていなかった臓器が人ののどの奥に見つかったとして、このほど医学誌に研究結果を発表した。 発表を行ったのはオランダがん研究所などの研究チーム。鼻腔(びくう)と咽頭(いんとう)がつながる部分の頭蓋骨(ずがいこつ)の中に、未知の腺が隠れているのを発見した。同チームは「tubarial glands」という名称を提案している。 この臓器はがんの転移診断のためのスキャン検査で見つかった。研究チームはさらに、前立腺がんで治療中の患者100人の頭部と頸部(けいぶ)のスキャン画像を調べ、男性1人と女性1人の遺体解剖を行った結果、全員がこの臓器を対でもっていることが分かった。 超音波やCTスキャン、磁気共鳴断層撮影(MRI)といった一般的な検査ではこの臓器は見つけられず、前立腺がんの転移を調べるPSMA PET/CTという先端のスキャン検査で初めて
同性愛の「治療」を受ける男。娼婦を相手に性的興奮を得ることができれば成功だ。男の頭には電極が差し込まれており、後頭部から4本のコードが隣の部屋まで延びている。その部屋では、研究者たちが電極から送られてくる計測値を見ながら、男の快楽中枢に適切な電気刺激を与える。 まるでSFだ。しかし、未来の話としてはおかしいと思われないだろうか。現在の状況を考えると、LGBTが治療対象となる未来などやってくるはずがなかろう。未来物語でもなければ架空のストーリーでもない。米国で実際におこなわれた人体実験なのである。 本書『闇の脳科学 「完全な人間」をつくる』の冒頭シーンがこれだ。いったいどんな内容の本なのか。意識せずとも期待感が広がっていく。まるで脳のどこかに電気刺激が与えられたかのように。 この実験をおこなったのは、精神科医ロバート・ガルブレイス・ヒース。統合失調症や鬱病などさまざまな精神疾患に対して、患者
東浩紀 Hiroki Azuma @hazuma たいへんよいコメント。「特に申し上げることはありません」。これしかない。 学術会議除外の宇野重規氏「日本の民主主義、信じる」 :朝日新聞デジタル asahi.com/articles/ASNB2… 2020-10-04 15:01:44 リンク 朝日新聞デジタル 学術会議除外の宇野重規氏「日本の民主主義、信じる」 :朝日新聞デジタル 菅義偉首相が「日本学術会議」の新会員の候補者6人を除外したことについて、6人のうちの1人である宇野重規(うのしげき)・東京大教授(政治思想史)は2日、コメントを発表した。 このたびの件について、私の… 149 users 1347
国際的な科学誌として知られる「ネイチャー」は、政治と科学の関係性についての社説を掲載し、日本学術会議の会員候補6人が任命されなかったことにも触れながら、学問の自律性を尊重することの重要性を訴えました。 この中では、学問の自律性と自由を守るという何世紀にもわたって存在してきた原則を、政治家が後退させようとする兆候があるとしたうえで「気候変動の分野では、多くの政治家が明確な証拠を無視している。こうしたことは科学的な知見が必要とされる、ほかの公共分野でも見られるようになった」と指摘しました。 そして、ブラジルのボルソナロ大統領が「アマゾンの森林破壊が加速している」という研究報告を受け入れなかったことなどと並んで、日本学術会議の問題を取り上げ「日本の菅総理大臣が、政府の科学政策に批判的だった6人の科学者の任命を拒否した」と紹介しました。 そのうえで、社説では国家が学問の独立性を尊重することは、現代
Covid-19重症化の遺伝的危険因子が見つかる。ネアンデルタール由来で、東アジア人はほとんどが持たない。ーー今日発表のネイチャー論文 https://t.co/B02ojhMUko
ゼロからつくる科学文明 タイムトラベラーのためのサバイバルガイド 作者:ライアン ノース発売日: 2020/09/17メディア: Kindle版この『ゼロから作る科学文明』は、もしもあなたがタイムトラベラーではるかな未来から過去の世界に飛んでしまい、さらに戻る手段がなくなったとしたらどうやって文明を再興するのか──について書かれた一冊である。 実はこれと同じ発想の本が5年前に本邦でも翻訳で刊行されている。それは『この世界が消えたあとの 科学文明のつくりかた』という本で、最初本書(ゼロから〜の方)の書名と内容をみたとき、あまりにも『この世界が〜』とかぶっていそうだったんで、「色んな意味で大丈夫なのかな?」とビクビクしながら読み始めたんだけど、きっちりこの世界が〜の著者ルイス・ダートネルからの推薦コメントも存在しているし、何より本の最初の前提の置き方がこの二冊では異なっているので、書かれている
シャコは、生物界一のハードパンチャーとして有名です。 ハンドスピードは、プロボクサーの時速30〜50キロに対し、シャコは驚異の80キロ超え。威力もハンパではなく、人の指くらいなら簡単に折ってしまいます。 シャコは、自分のパンチ力で関節を痛めないよう手加減しているという研究もあるほどです。 このシャコパンチで、魚を気絶させたり、カニの硬い殻をぶち割ったりしますが、それでいてシャコの拳には傷ひとつ付きません。 その謎を解明するべく、米・カリフォルニア大学は、電子顕微鏡を使って、シャコの拳の秘密に迫りました。 その結果、シャコの拳には、パンチの衝撃を吸収・分散できる「自家製サポーター」が施されていることが判明します。
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