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ブックマーク / davitrice.hatenadiary.jp (6)

  • 「運の平等主義」とはなんぞや(読書メモ:『平等主義の哲学』) - 道徳的動物日記

    平等主義の哲学: ロールズから健康の分配まで 作者:巌, 広瀬 勁草書房 Amazon 「運の平等主義」についてはロナルド・ドウォーキンの『平等とは何か』の読書メモ記事でも紹介しているが、広瀬巌の『平等主義の哲学』の第二章でもドゥウォーキンとそのフォロワーや批判者たちの議論が簡潔にまとめられていたので、紹介する。 davitrice.hatenadiary.jp 一方において、所与運という概念は、ある個人の制御を超えたタイプの運を捉えるものである。個人は所与運の悪影響に対しては責任を負うことができず、それゆえ、彼ないし彼女が他の人々より境遇が悪い場合、所与運の悪影響は補償されるべきである。他方において、選択運という概念は、ある個人の制御下にあるタイプの運を捉えるものである。個人は選択運の悪影響に対して責任を負うべきであり、それゆえ、彼ないし彼女が他の人々より境遇が悪いとしても、彼ないし彼女

    「運の平等主義」とはなんぞや(読書メモ:『平等主義の哲学』) - 道徳的動物日記
  • 「自己責任論」を批判するのはいいけれど…(読書メモ:『高学歴女子の貧困』) - 道徳的動物日記

    学歴女子の貧困 女子は学歴で「幸せ」になれるか? (光文社新書) 作者: 大理奈穂子,栗田隆子,大野左紀子,水月昭道 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2014/02/18 メディア: 新書 この商品を含むブログ (14件) を見る 貧困状態にある高学歴女性が現状を綴る私的なレポートやエッセイ的な文章と、高学歴な女性が男性よりも貧困になりやすい構造や女子と高等教育との歴史などについての分析を行う文章などが混在する。 タイトルは「高学歴女子」に的を絞っており、女性ならではの苦労や制度的・慣習的な障壁について書かれている部分が書のメインとはなっているのだが、博士号の取得のしづらさや研究職への就業の困難さなど、男女問わず高学歴全般に関わる問題も扱われている。そういう点では、生活や就労に苦しんだことのある高学歴男性であっても、我が身のことに引き付けながら読めるかもしれない。 博士課程に進

    arguediscuss
    arguediscuss 2019/09/16
    みんなもっと世の中をナメようよ。完璧主義は自分も他人も殺す。
  • 「攻めの倫理」と「守りの倫理」(『ふだんづかいの倫理学』読書メモ) - 道徳的動物日記

    ふだんづかいの倫理学 (犀の教室Liberal Arts Lab) 作者: 平尾昌宏 出版社/メーカー: 晶文社 発売日: 2019/03/12 メディア: 単行 この商品を含むブログを見る 前回の記事でも言及した内容とはまた別口で、『ふだんづかいの倫理学』を読んで考えたことについて書く。 このの後半の特徴は、倫理学の内容を「守りの倫理(消極的倫理)」と「攻めの倫理(積極的倫理)」に分別していること。義務論的な倫理や社会の調整を行ってマイナスを減らすための「正義」に関する倫理は守りの倫理に、目的論な倫理や個人がより善く生きるための「自律」に関する倫理は積極的倫理に分類される。 倫理というものを「正しさ」に関わるものとイメージしている人は、倫理は人を縛る法のようなものだと感じるでしょう。一方、倫理を「善さ」のためのものだとする人にとっては、倫理は単なる法じゃありません。それ以上のものを倫

    「攻めの倫理」と「守りの倫理」(『ふだんづかいの倫理学』読書メモ) - 道徳的動物日記
    arguediscuss
    arguediscuss 2019/09/04
    そもそも「守り」と「攻め」に分類するレトリックを使うときは、なんだかんだ「守り」の価値はやや低く扱われがちな気がする。「守りも大事なんだけどね…」とは言うが、結局そんなに本気では言ってない、みたいな。
  • トロッコ問題批判批判 - 道徳的動物日記

    先日に森村進の『幸福とは何か』 (ちくまプリマー新書、2018年)を読んでいたら、後半の方で以下のような記述があった*1。 幸福とは何かを考えるにあたって、私は書でさまざまの思考実験を利用してきましたが、その中には非現実的な例も少なくありませんでした。この方法は現代の哲学、特に分析哲学と呼ばれている著作の中ではごくありふれたものです。しかし世の中にはそれに反発する人も少なくありません。彼らは「そんな自体は実際には発生しない」とか「その例におていは<これこれしかじか>と前提されているが、<これこれしかじか>ということが当事者にどうして確信できるのか?」などと言って、思考実験に向かい合おうとしません。思考実験は地に足のついた思考の敵だ、と彼らは信じているのでしょう。 『幸福とは何か』ではトロッコ問題はほとんど出てこなかったが、上記のような批判は、特にトロッコ問題に対して向けられがちだ。典型的

    トロッコ問題批判批判 - 道徳的動物日記
    arguediscuss
    arguediscuss 2019/04/14
    「余分な条件を捨象して、問題にしたい事柄を考えることに特化した状況を想定できることが、思考実験の利点だ」神の視点に立たないとこういう状況の想定はできないだろうけど、神のなす選択はすべて善なのではないか
  • 人文学は何の役に立つのか? - 道徳的動物日記

    (2020/12/10 追記) この記事で行なった議論を大幅に改訂したものを、晶文社スクラップ・ブックの連載で発表した。どちらかといえば、この記事ではなくそっちを参照してほしい。 s-scrap.com 近年、「学問は役に立つのか?」「人文学を学ぶ意味はあるのか?」「利益を上げない学問に税金を投入する意味はあるのか?」みたいなことが言われることが多くなっているような気がする。大体の場合、やり玉に挙げられるのは人文学や文系の科目全般だったりする。 私は学生時代に人文系の学問を専攻していたし家族にも人文系の大学教授がいるのでわかるのだが、人文系の大学教授の大半は、「人文学は役に立つのか?」あるいは「お前のやっている学問は何かの役に立つのか?」ということを問われると憮然としたり心外だと言わんばかりに憤ったりする。それで「役に立つかどうかという理由で学問をやっている訳ではない」「何かの役に立つから

    人文学は何の役に立つのか? - 道徳的動物日記
    arguediscuss
    arguediscuss 2017/03/31
    人文学とは何か?が先では/わからないことがわかるようになるのでモヤモヤすることがなくなります。とか。
  • 「障害者運動家たちがピーター・シンガーの辞任を要求」byジェリー・コーン - 道徳的動物日記

    シカゴ大学に勤める進化生物学者のジェリー・コーンが、当人のブログWhy Evolution Is Trueで、障害者運動家たちによるピーター・シンガーへの辞職要求について話題にしていた。元記事が掲載されたのは今年の6月なので、半年近く前の記事ではあるが、翻訳して紹介する。 元記事はこちら。 Disability activists call for Peter Singer’s resignation « Why Evolution Is True 二日前の記事では、ドイツで行われた哲学の学会で、プリンストン大学の哲学者ピーター・シンガーの招待が取り消されたことについて取り上げた。*1シンガーの招待が取り消された理由は、ひどい病気や奇形である新生児の安楽死についての、彼の見解だった(シンガーはそのような安楽死について、長い間賛成を表明し続けている)。この招待取り消しは、最近チューリッヒの新

    「障害者運動家たちがピーター・シンガーの辞任を要求」byジェリー・コーン - 道徳的動物日記
    arguediscuss
    arguediscuss 2015/12/06
    議論には議論で対抗すべき。あれが「ヘイトスピーチ」だったら教授になれない。だいたい学者の中にはシンガーに学問的に反論してる人が結構いるだろうに。そういう学者の説を学ぶなり資金面で応援するなりすればよい
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