数学は、天体の運動や自然のリズムなどを明らかにするばかりでなく、日常生活における些細な決断にも光を当てることができる。その一例が、サンタフェ研究所の物理学者Sidney Redner教授とボストン大学のPaul Krapivsky准教授が、科学ジャーナル『Journal of Statistical Mechanics』に発表した「Simple parking strategies(単純な駐車戦略)」と題する論文だ。 テーマパークやショッピングモールなど、人出の多い目的地でドライバーが直面する課題は、簡単に見つかるがエントランスから遠い場所に駐車して長い距離を歩くのか、それとも見つけるのが難しいがエントランス近くの駐車スペースを探すのかだ。二人の物理学者は、一列の駐車場を想定し、駐車に要する時間を空きスペースを探す時間と車を降りてからエントランスまで歩く時間の合計とし、時間を節約できる理想