牧野智和『自己啓発の時代』読んだ。1990年代から2000年代にかけて、以前は不可視だった内的世界を技術的な働きかけの対象と見なそうとする「内面の技術対象化」が起こったこと、自己啓発メディアが自己をめぐる再帰性を止める基底的参照項をを示していることを明らかにしている。 牧野智和『自己啓発の時代: 「自己」の文化社会学的探究』勁草書房、2012年 自己啓発的な価値観は社会のメインストリームの一角を占めると言っても良いくらい、社会に深く浸透していると思うが、オカルト起源。スウェーデンボルグの影響を受けたニューソートという19世紀アメリカのキリスト教運動が源流。ナポレオン・ヒルのような成功哲学の本によって広まった。 自己啓発とニューソートの関係について。 速水健朗『自分探しが止まらない』ソフトバンク新書、2008年 バーバラ・エーレンライク『ポジティブ病の国、アメリカ』河出書房新社、2010年