高島屋と、阪急阪神百貨店を傘下に持つ持ち株会社、エイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングが10月10日、資本・業務提携した。相互に発行済み株式数の10%の株式を持ち合い、3年以内の経営統合を目指す。売上高の単純合計で1兆5629億円。三越伊勢丹ホールディングスに次ぐ、業界2位のメガ百貨店の誕生だ。 にもかかわらず、両社の首脳は、規模の拡大自体には意味がないことを再三、強調した。もちろん、これらの発言はポーズではない。一定の規模を手にしてなお、売上高の大きさだけでは補えないものの大きさに気づいているがゆえの実感だ。 では、両社にとって足りないものは何だったのか。 高島屋、「事業モデルを組み替えないと」 1989年に、日本の百貨店業界で最も早くグループ売上高1兆円を達成した、高島屋からその中身を見ていこう。 「早急に事業モデルを組み替えないといけない」。サブプライムローン(米国の信用力の低い個