今年で生誕100周年を迎える文豪・太宰治の作品が相次いで映画化され、その中の2本『ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~』と『パンドラの匣』が揃って10月10日に公開される。 『ヴィヨンの妻』は、先月カナダで開催された第33回モントリオール世界映画祭で根岸吉太郎監督が監督賞を受賞したことでも話題となった。モントリオール映画祭といえば、昨年は『おくりびと』がグランプリを受賞し、オスカー受賞への第一歩となった映画祭。来年のアカデミー賞の外国語映画賞日本代表作品は、やはりモントリオールで脚本賞を受賞した佐藤浩市主演の『誰も守ってくれない』に決まっているので、『ヴィヨンの妻』がアカデミー外国語映画賞を受賞することはないが、『おくりびと』と同じ映画祭で評価されたという点は興行的にもプラスになりそうだ。 映画は、太宰の短編小説「ヴィヨンの妻」をベースに、「思ひ出」「灯籠」「姥捨」「きりぎりす」「桜桃」「二十世