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ブックマーク / dain.cocolog-nifty.com (6)

  • 科学研究はどこまで信用できるか『あなたの知らない研究グレーの世界』『サイエンス・フィクションズ』

    研究不正について、私の認識が間違っているのかもしれない。もし誤っているのであれば、指摘してほしい。 まず、2つのケースを紹介する。次に、私の判断を述べる。 ケース1 薬剤Xがタンパク質の血中濃度を上昇させるという仮説検証のため、動物実験を行った。薬剤Xの投与で濃度の平均値は増加することが判明したが、統計学的検定ではp=0.06と、有意水準の0.05にわずかに届かなかった。教授に相談したところ、追加実験を行うこと、さらに実験のたびに検定をして、p<0.05を得た時点で実験を終了するよう指示を受けた。 ケース2 疾患Yの重症化因子を調べるため、診療録から収集した疾患Y患者のデータを元に、臨床検査値と生活習慣の関連性を分析したところ、生活習慣Zを有している患者の予後が不良となる結果を得た。そこで「生活習慣Zを有する疾患Y患者は予後不良である」と学会発表した。 私の考えはこうだ。 ケース1は、 「

    科学研究はどこまで信用できるか『あなたの知らない研究グレーの世界』『サイエンス・フィクションズ』
  • 日本史に残る巨大 IT プロジェクトから学べること『みずほ銀行システム統合 苦闘の19年史』

    大規模 IT プロジェクトの成功事例と、大規模システム障害の失敗事例を合わせた一冊。読み手に応じ、さまざまな学びが得られる。 困難な状況で、プロジェクトを成功に導く教訓を学ぶこともできるし、史上最悪のシステム障害がどのように発生し、波及していったかを生々しく読めるし、二度と起こさないための再発防止策を具体的にピックアップすることもできる。 「東京スカイツリー7」の ITプロジェクト なぜアズイズ(As-is)が問題なのか プロジェクト推進体制を強化する具体的な方法 2002年と2011年の大規模システム障害の顛末 IT システムの赤の女王説 日経コンピュータの「演出」 1. 東京スカイツリー7IT業界のサグラダファミリアと呼ばれてきた、みずほの勘定系システム「MINORI」が、2019.7月、ついに完成した。 4,000億円という巨費を投じて 富士通、日立製作所、日IBM、NTT

    日本史に残る巨大 IT プロジェクトから学べること『みずほ銀行システム統合 苦闘の19年史』
  • 円城塔訳『雨月物語』が完全にジャパニーズ・ホラー

    雨月物語は、語り調子で畳みかけるように怖い石川淳『新釈雨月物語』が決定版だった。が、円城塔が上書きした! 硬い語りを残しつつ、きっちり小説に仕立ててある。こいつは怖いぞ嬉しいぞ。ジャパニーズ・ホラーの金字塔『吉備津の窯』はこれで読むと吉。 ジャパニーズ・ホラーの最大の特徴は、「わけが分からない恐怖」だろう。殺人鬼とかウイルス感染といった物理的に対応できる原因が引き起こす欧米ホラーと違い、真相が分からない。わけが分からないまま恐ろしい思いをし、原因を探してみても、「呪怨」や「穢れ」といった言葉で示すしかない「なにか」で終わる。文字通り、この世のものではないのだから、物理的な対処は効かない。「なにか」が過ぎ去るまで震えているしかないのだ(あるいは、取り憑き殺されるまで)。 たとえば、スゴオフで出会った『残穢』(小野不由美)なんてそう。「怖すぎて最後まで読めませんでした」「もう触るのもイヤ」と

    円城塔訳『雨月物語』が完全にジャパニーズ・ホラー
    houyhnhm
    houyhnhm 2017/01/11
    訳ってなんだ?
  • コンサルタントはこうして組織をぐちゃぐちゃにする『申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。』

    「嘘つきは経済学者の始まり」という諺があるが、コンサルタントも入れるべき。 中の人として働いたことがあるので、その手法は分かってる(まとめ:[そろそろコンサルタントについて一言いっておくか])。だから書は、徹頭徹尾、黒い笑いが止まらない。騙される幹部が悪いのだが、振り回される社員はたまったものではない。ファームであれジコケーハツであれ、理論武装を「外」に求める人は、予習しておこう。あるいは、コンサルティングを「説得の技術」と捉え、逆にそこから学ぼう。 書は、マジシャンが種明かしするようなもの。コンサルタントの方法論である「適応戦略」や「最適化プロセス」「業績管理システム」は、役に立たないどころか、悪影響にもなると暴きたてる。著者は経営コンサル業界で30年も働いて、いいかげんこの「お芝居」にウンザリして、懺悔の名を借りた曝露を出したという。その具体例が生々しい&おぞましい&あるある。

    コンサルタントはこうして組織をぐちゃぐちゃにする『申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。』
    houyhnhm
    houyhnhm 2014/07/08
    使い方が分かるならそもそもコンサルに頼まないという所からのハードモードなプレイです。
  • 『時間ループ物語論』はスゴ本

    古今東西の時間ループ物語を題材として、現代日を生きる人々が抱く価値観、人生観へ肉薄する佳作。十年前のテキストサイトでよく見かけたオタ的論述スタイルが、暑苦しく膨大に展開されており、懐かしくも愉快な読書と相成った。 うる星やつら『ビューティフルドリーマー』や、涼宮ハルヒ『エンドレス・エイト』といったアニメから、ゲーテ『ファウスト』、落語『芝浜』、漱石『それから』、果ては浦島太郎伝説を俎上に乗せ、定義、掘り下げ、類型化、普遍化し、物語の根っこである「願望充足」「カタルシス」にまで至る。 アニメ、映画小説、古典、神話……膨大な作品を次々と挙げ、脱線に次ぐ脱線を繰り返しながら語られてゆく、著者独特の「読み」の過程や考察がめっぽう面白い。リアルタイムでエヴァ論を読み重ねてきた人にとって、「時間ループ」はたまらない材になるだろう。 たとえば、若返り譚も含めると、ループ物語は古代から前史があったと

    『時間ループ物語論』はスゴ本
    houyhnhm
    houyhnhm 2013/02/12
    論考としてはイマイチっぽいけど。DB的には再編集されてる感じなのかな。/夢オチからの派生だと思うので、本当にループしてる感覚を味わえるってのはなかなかない。殆どルーフの副産物を使ってる印象。
  • 恐怖なしに生きる

    恐怖なしに生きる、そんなことが可能だろうか。 わたしが恐怖を抱いているもの───家族を亡くすことや、健康や職を失うこと、その基盤自体が災害や戦いで破壊される不安から、自由になれるのか。もっと引きよせて、仕事で失敗して降格されるとか、痴漢と間違われるとか、個人情報が悪用されたんだけど人に言えないようなサイトからだから泣き寝入りするしかないとか。肉体的、精神的な打撃への"おびえ"をなくせるのか。 クリシュナムルティは、できるという。 この一冊を賭けて、くりかえし述べている。手記、詳論、対談、インタビュー、手を変え品を変えて同じテーマ「恐怖なしに生きる」ための問いかけを続ける。非常に興味深いことに、アプローチは「怒り」と一緒なのだ。 順番に言おう。クリシュナムルティによると、最初に自問すべきは「恐怖とは何か」「それはどのように起こるのか」なんだと。わたしが何を恐れているかがテーマになるのではなく

    恐怖なしに生きる
    houyhnhm
    houyhnhm 2011/11/04
    何故今クリシュナが。頭が痛い。
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