こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。こんなご時世だからこそぜひ読んでいただきたい良書を紹介します。木村幹さんの『日韓歴史認識問題とは何か』(ミネルヴァ書房)。 この本の特徴は、日韓両国の新聞など文献資料をきちんと踏まえ、根拠のある事実をまとめている点にあります。といわれて、そんなのはあたりまえじゃないかというひとは、まるでわかってません。そのあたりまえの作業をやらずに偏見を述べてるひとが圧倒的に多いのですから。 韓国を目の敵にしてる日本人のほとんどは、韓国語が読めません。日本を目の敵にしてる韓国人のほとんども、日本語が読めません。彼らはいったい何を根拠に互いを攻撃し合ってるのでしょう? 彼らが頼りにしてるのは、自国語だけの伝聞と報道です。相手の国民がどんなことを考え、どんな主張をしてるのかを、自分で確かめる能力のないひとたちが、根拠のあいまいな政治イデオロギーで誹謗中傷合戦を繰り広げて