「共同富裕」。毛沢東が最初に提唱し鄧小平も用いてきた以前からある言葉だが、2021年8月に開催された中国共産党中央財経委員会で習近平(シー・ジンピン)総書記が改めて実現に向け強い意欲を示したことで、にわかに注目を集めた。 同委員会では、富の分配として、労働の対価としての賃金など市場による分配(一次分配)、税や社会保障、財政支出による分配(二次分配)、寄付や慈善など自発的な分配(三次分配)があるとした。 この三次分配で、積極的にチャリティー事業を展開するのがアリババグループだ。 共同富裕に資するデジタルチャリティー アリババ傘下のフィンテック企業・螞蟻集団(アント・グループ)は、「支付宝(アリペイ)」アプリ上でチャリティー活動を行ってきた。その代表例が、2016年からサービスを始めた「螞蟻森林(アントフォレスト)」だ。例えば、車を使わず自分が歩いた歩数に応じたポイントを受け取り、そのポイント