日本の高齢男性は孤独だ。内閣府が2020〜21年に60歳以上の高齢者を対象に実施したアンケートによると、親しい友人が「いない」と回答した日本人男性の割合は、40.4%にも上った。同時に調査したスウェーデンの9.8%、ドイツの14.3%、米国の18.8%を大きく上回る割合となっている(「高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」から)。 日本人男性が、職場以外で人間関係を積極的に構築してこなかったことが、「親友ゼロ」の背景にありそうだ。そのような「仕事人間」が60代を迎えて定年退職すると、家庭以外に居場所のない、孤独な引退生活を送ることになる。 しかも余生は長い。今年7月、厚生労働省は日本人男性の平均寿命が81.05歳となったと発表した。60歳で定年退職した場合、20年以上も社会性に乏しい生活を送ることになりかねない。充実した余生を送るためには、趣味を見つけたり、ボランティア活動にいそしんだり