さるところでインタビューをうけた。以下はそのときしゃべったことのメモ。 流言や風評はなぜ生じるか。 流言や風評とは、ひと言でいえば、事実的な情報の不足もしくは欠損を、ひとびとが想像によって補おうとすることによって生じる集合的な現象である。 逆にいえば、事実にもとづく情報が十分に与えられていると感じられている状態においては、流言や風評が繁茂するような事態は生じにくい。 流言や風評とは「状況理解」のひとつのあり方だといえる。したがって、流言や風評について、それが事実とどれだけ違うかという観点だけで論じることは、あまり実りがあるようにはおもわれない。 とはいえ、事実というより想像に過度に依存した「状況理解」は、実際の状況からかけ離れたものになりがちであり、それがさまざまな問題を引きおこす要因となる。 1923年の関東大震災では、「朝鮮人が暴徒化した」というデマが流れたことがよく知られている。これ