中韓北3国への米国の怒り トランプ大統領は、11月27日に「香港人権・民主主義法案」に署名した。さらに、米下院は12月3日に「ウイグル人権法案」を、407対1の圧倒的賛成多数で可決した。 「ウイグル人権法案」では、陳全国氏(共産党政治局委員で同自治区の党委員会書記)を制裁対象に指定するようトランプ大統領に求めているが、成立すれば、中国共産党の政治局委員の制裁指定は初めてとなる。 10月15日の記事「『ウクライナ疑惑』で、トランプの大統領再選は確実になりそうだ」や、11月6日の記事「米国は変わった、とうとう高官が共産主義中国を『寄生虫』呼ばわり」で述べた様に、今やトランプ大統領がハト派に見えるほど、民主党左派を中心とするタカ派(対中国強硬派)の怒りはすさまじい。そして、その根底には「人権問題」が関わっている。 トランプ氏は、あくまでビジネスマンだから「対中貿易戦争」を仕掛けたのも、一種の脅し
日韓の国旗(日本国旗は、在日韓国大使館に日本の政治団体が抗議で掲げたもの。2012年) Yuriko Nakao-REUTERS 11月23日を以てGSOMIAが失効する。撤回は困難だろう。8日には在韓米軍駐留費の5倍増を韓国は拒否。一方、米韓合同軍事演習だけはするので北の激怒を招いた。韓国の右往左往と東アジアの地殻変動を考察する。 GSOMIA破棄の撤回は困難 今月23日に日韓のGSOMIA(軍事情報包括保護協定)が失効する。8月22日に韓国はGSOMIA破棄を宣言したのだが、その2日前の20日には中韓外相会談を行っており、もし継続すれば国交断絶もあり得るというほどの威嚇を中国側から受けていた。なぜなら日韓GSOMIAは、北朝鮮や中国などの軍事動向を偵察して、秘密裏に日本に通報するためのものだからだ。 アメリカがINF(中距離核戦力)全廃条約から離脱した後に、逆に中距離弾道ミサイル開発を
きたの・よしのり/1970年長野県生まれ。モスクワ在住24年の国際関係アナリスト、作家。その独特の分析手法により、数々の予測を的中させている。1996年、日本人で初めて、ソ連時代「外交官・KGBエージェント養成所」と呼ばれたロシア外務省付属「モスクワ国際関係大学」(MGIMO)を卒業(政治学修士)。1999年創刊のメールマガジン「ロシア政治経済ジャーナル」は現在読者数3万6000人。ロシア関係で日本一の配信部数を誇る。主な著書に「隷属国家日本の岐路」(ダイヤモンド社)、「プーチン最後の聖戦」、「日本自立のためのプーチン最強講義」(共に集英社インターナショナル)など。 ロシアから見た「正義」 “反逆者”プーチンの挑戦 ウクライナ問題などで欧米に楯突き、“反逆者”となったプーチン・ロシア大統領。しかし、ロシア側から物事を眺めれば、ウクライナ問題で暗躍する欧米側の思惑など、日本で報道されている“
金正恩「中国電撃訪問」の裏側 新年早々、東アジアが激しく動いている。米国と中国は北京で1月9日まで3日間にわたって次官級の通商協議を開いた。一方、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は中国を電撃訪問した。これで4回目だ。これから何が起きるのか。 米中協議と正恩氏の訪中は連動している。報道によれば、中国側が正恩氏を招いたという。それが本当なら、中国の習近平国家主席は米国との通商協議を有利に運ぶために、北朝鮮カードを切った形になる。 習氏は米国のトランプ大統領に「正恩氏に非核化を説得できるのはオレだ」と見せつけたかったのだ。正恩氏も「オレのバックには中国がいるぞ」と誇示できる。この構図は今回が初めてではない。6月の米朝首脳会談の前にも2度の中朝首脳会談があった。 それでも習氏と正恩氏がまた同じ手を使ったのは、中国と北朝鮮がそれほどトランプ氏に追い込まれている、とみてもいい。トラン
金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長(2016年5月10日撮影、資料写真)。(c)AFP/Ed JONES〔AFPBB News〕 それが本稿の主題である。ただし、ここで論じたいことは、「北朝鮮に対する制裁の成否は中国にかかっている」とか、昨年時点でのドナルド・トランプ米大統領のように「まずは中国に任せてみよう」などという当面の対処に関することではない。 より大事なことは、「北朝鮮の核・ミサイル問題への対応を誤ると、中長期的に見て、日本を取り巻く戦略環境が、中国を利する方向に激変するかもしれない」という点である。以下、これについて説明していく。 従来型の危機の構図 そもそも北朝鮮によるICBM(大陸間弾道ミサイル)の開発とこれへの核弾頭の搭載は、日本の安全保障にとってどのような問題なのだろうか。 1つには、北朝鮮が国際社会の反対を押し切って核やミサイルを開発することを許してしまうと、
昨年12月14日、文在寅大統領は習近平国家主席に平昌冬季五輪出席を懇願 Nicolas Asfouri−REUTERS 平昌冬季五輪には、閉幕式も含めて習近平国家主席が出席しないこととなった。なぜ出席しないのか、また現在進行中の南北朝鮮融和策に対して、中国はどう思っているのか、中国政府関係者に直接聞いた。 開会式には韓正氏が、閉会式には劉延東氏が 2月9日に韓国の平昌(ピョンチャン)で始まった冬季五輪の開会式に、中国政府からは新チャイナ・セブン(中共中央政治局常務委員7名)の党内序列最下位(No.7)の韓正氏が出席した。 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、昨年5月に大統領に就任して以来、何度も中国の習近平国家主席に平昌冬季五輪の開会式に出席してくれと懇願してきた。そのため昨年12月に文在寅大統領は訪中して習近平国家主席と会談したのだが、習近平国家主席から出席するという言葉を引き出すこ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く