「トランプは弱腰」という確信 米国がイランの司令官をドローン攻撃で殺害し、中東の緊張が一挙に高まった。だが、心配されたイランの報復は「形ばかりの茶番」だった。戦争は回避されたが、米国のトランプ政権にとって、本当の正念場はここからだ。 まず、激動の1週間を簡単に振り返ろう。 米軍は1月3日、バグダッド国際空港でイラン革命防衛隊の精鋭「コッズ」部隊のソレイマニ司令官らが乗った車列をドローンで攻撃し、殺害した。いきなり、敵の司令官を殺害したように見えるが、ここに至るまでには、伏線がいくつもあった。 イランは昨年から、米国に対して執拗に挑発を仕掛けていた。 最初は、昨年6月にホルムズ海峡沖で起きた米国の無人機撃墜である。当時のボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)らは直ちに報復するよう訴え、トランプ大統領はいったん同意したが、攻撃10分前になって突然、中止を決めてしまった。 当時のトランプ氏