頭で思い描く立ち食いそばはいつも怖かった。 駅そばによく行くのだが、お客全員がトレイにそばを乗せて自席を選びそこまで持ち運んで、食べた後また返却口まで持っていくという一連の流れは驚くべきものだと思う。 なぜ、誰もそばつゆをこぼさないのか(多少はたぷんたぷんしてこぼすこともあるかもしれないが、ばっしゃんとはこぼさない)。考えると恐ろしい。 昼に駅でコロッケそばを食べた。 受け取り口で受け取ってから、トレイを片手で持ってグラスに水をそそいでトレイに乗せて席まで行って食べて、返却口にもどして店を出た。 出たところであっ! と思った。 ぜんぜん怖くない……! 想像上の立ち食いそばはとても怖いが、現実の立ち食いそばは全く怖くない(怖がる気持ちを持っていない)ということに気づいたのだ。 なにせ、たっぷりと入っているコロッケそばをトレイに乗せて、乗せえたまま(!!!!)片手を話してグラスに水を注いだのだ