ストックホルムを訪れたフィンランドのマリン首相(右)を迎える、スウェーデンのアンデジャン首相(左)。NATO加盟申請へ一歩前進 (C)EPA=時事 フィンランドとスウェーデンのNATO加盟申請が5月半ばにも行われる見通しだ。NATO との関係を着実に深めて来た両国が、動きを一気に加速する背景には、ロシアによるウクライナ侵略とともに、1975年に東西両ブロックの間で合意された「ヘルシンキ最終議定書」の「同盟選択権」をロシアが否定しようとした事実がある。まさにいま、第二次世界大戦後の欧州国際秩序に大転換が起きようとしている。 フィンランドとスウェーデンといえば、北欧の中立国として知られる。より正確にいえば、NATO(北大西洋条約機構)に加盟しないという意味での「軍事的非同盟」である。いずれにしても重要なのは、第二次世界大戦終結、そしてNATO創設から70年以上にわたってNATO非加盟を貫いてき